【ゴルフ】渋野日向子の復活優勝を支えたウェッジ 4本態勢でスーパーショット連発

渋野日向子(C)Getty Images

女子ゴルフの国内ツアー「スタンレーレディス」の最終ラウンドが10日、静岡・東名CC(6592ヤード、パー72)で行われ、渋野日向子が2019年11月の「大王製紙エリエールレディース」以来1年11カ月ぶりの優勝を果たし、ツアー通算5勝目(日米通算6勝目)を手にした。

正規の18ホールは首位と2打差の5位から出て、6バーディー、2ボギーの68をマーク。通算10アンダー、206となり、トップの木村彩子佐藤心結ペ・ソンウに並んだ。4人によるプレーオフに突入し、2ホール目でバーディーを奪い、制した。スイング改造に伴う批判を見返し、ついに“スマイリング・シンデレラ”が復活した。

◆【動画ハイライト】渋野日向子、最終日にスーパーショット連発で復活V ウイニングパットの直後は歓喜の涙

■「短くて長い、長いようで短い」2年間

2打差を追って出た渋野だったが、一時は4打差まで広げられた。それでも諦めず、怒涛の追い上げを見せた。16番で「狙っていた」というチップインバーディーを決めて1打差に再接近。さらに、後がない最終18番パー5でもスコアを伸ばし、ついに追いついた。

18番を使ったプレーオフは、1ホール目で木村が脱落。繰り返し18番で行われた2ホール目で渋野がひとりバーディーを決め、佐藤、ぺ・ソンウを振り切った。

優勝が決まった瞬間、渋野は両手で顔を覆った。「不思議な気分。短くて長い。長いようで短かったのか、よくわかりません」(JLPGA公式サイトから)。試行錯誤を繰り返し、勝利から見放されたこの2年間に思いをはせたのか、涙が止まらなかった。

■100ヤード以内の精度向上目指す

約2年ぶりの優勝を引き寄せた要因はウェッジにある。昨年までは52度、58度の2本を使用してきたが、今年はそこに46度と54度を追加し4本態勢とした。番手間のギャップを埋め、100ヤード以内の精度を上げるためだ。今大会、これが功を奏した。

先述した16番のチップインバーディーは58度で決めた。1打差を追いついた正規の18番パー5では、ピンまで95ヤードの3打目で52度を握り、ピン1メートルにピタリとつけた。プレーオフ1ホール目はピンまで88ヤードの3打目を54度で放ち、ピン奥に着弾させ、もう少しでイーグルというスーパーショットを見せた。そして、プレーオフ2ホール目は残り108ヤードからの3打目を、今度は46度で1.5メートルにつけて、最後バーディーをもぎ取った。スコアメイクにウェッジが大活躍した。

JLPGA公式サイトを通じて「4本のウェッジをずっとずっとたくさん練習して、1ヤード、2ヤードの精度へつながったと思います」と話した渋野。4本のウェッジをフル活用し、ハードな練習を結果に結び付けた。

■新スイングへの批判を封じる

日本人として初めて全英女王に輝くなど2019年は年間5勝。“シブコ・フィーバー”を巻き起こし、日本女子ゴルフ界をけん引した。

多くのファンは前途洋々の未来に期待したが、米ツアーへの本格参戦を表明した昨年が転機となった。米ツアーでの成功を見据え、スイング改造に着手。飛距離の差、アプローチなど技術の差を埋めるために取り組んだものだが、もちろん結果はすぐには出ず。その間、トップの位置が明らかに低くなった新スイングに対して、不安視する声や批判が広がった。

本人も「もう、勝てないのでは。そんな気持ちが、めちゃくちゃありました」といい、「この年齢でいうのもおかしいけど、女子ゴルフ界は世代交代がとにかくはやい。私も置いて行かれる。そういうことは感じたくなかったけど」(JLPGA公式サイトから)と吐露し、焦りがあったことを認めた。それでも自分を信じ、ぶれることなく歯を食いしばって耐えた。

長い道のりを経て、復活への一歩を刻んだ渋野。“スマイリング・シンデレラ”の第2章が始まったと言っていいだろう。

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文・SPREAD編集部


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