レアル所属・中井卓大ってどんな選手?…「リアルキャプテン翼」と呼ばれた少年時代

 

レアル所属・中井卓大ってどんな選手?…「リアルキャプテン翼」と呼ばれた少年時代
(c)Getty Images

レアル・マドリードの下部組織カデーテB(U-15)で昨季プレーしていた中井卓大くんが、新シーズンはU-16年代のカデーテA(U-16)に昇格してプレーしていることが公式HPでも明らかになった。

中井くんは2022年ワールドカップカタール大会で、日本代表を担う選手の1人として期待を集めている。現在14歳。生年月日は2003年10月24日。出身は滋賀県大津市。

(Photo by Masashi Hara/Getty Images)

「リアルキャプテン翼」と話題になった少年時代

幼少期に同年代の選手をごぼう抜きし、キーパーをヒールリフトでかわしてみせるような動画がYouTubeで「リアルキャプテン翼」と話題にもなったこともある。

中井くんがレアル・マドリードの下部組織に入団したきっかけは、2012年に日本で初開催されたレアル・マドリード・ファンデーションキャンプに参加したことだった。

ここでその飛び抜けた才能を来日したカンテラの監督やコーチに見出され、レアルマドリードへの入団テストへ招待されたのち、そのまま合格。

日本人選手がレアルマドリードの下部組織に入団するのは、史上初の快挙だった。

地元クラブのアズー滋賀フットボールクラブから、9歳でレアルの下部組織に入団した中井くんは、「アレビンA(U-12)」、「インファンティルB(U-13)」「インファンティルA(U-15)」「カデーテB(U-15)」、そして今季より「カデーテA(U-16)」と、順調に階段を駆け上っている。

(c)Getty Images

Advertisement


とはいえ、レアルマドリードの下部組織は1年に1度選考会があり、実力が足りていない選手は退団を余儀なくされる厳しい世界。

昨年インファンティールAからカデーテBに昇格した際には、チームメイト8人が足切りにあっていたという。

世界トップレベルの下部組織でプレーするということは、この年代から、弱肉強食の厳しい世界にさらされるということだ。 トップチームに入団するためには、今季からのカデーテAも含め、フベニールC、B、A、そしてカスティージャといった5カテゴリーを昇格していくことが求められる。

スクロールすると広告の後にコンテンツが続きます

プレーへの評価…「クリスティアーノ・ロナウドよりも重要

レアルの公式HPは「日本の滋賀県の『アズー滋賀フットボールクラブ』で6年間を経験。彼のプレーの質は非常に高く、視野の広さは抜群。チームのために尽くし、巧みなドリブルとピッチでの意思決定の質が高い、有能なミッドフィルダーだ」と中井くんを評価している。

中井くんのポテンシャルは地元メディアでもすでに高く評価されている。スペイン紙「ムンド・デポルティーボ」は「クリスティアーノ・ロナウドよりも重要」と将来的な伸びしろを称賛している。

(c)Getty Images 参考画像:クリスティアーノ・ロナウド

昇格後の初試合は、8月18日に行われた親善試合。対戦相手はジェネレーションアディダス。試合はレアル・マドリード・カデーテAが4-0で勝利した。

中井くんは後半から出場し、見事なスルーパスから1アシストを記録。攻守に渡る活躍を見せた。ドリブルの技術の高さには定評があるが、試合途中でも見事に2人をごぼう抜きするシーンなどがあり、解説者を唸らせるプレーを終始披露した。

この試合での活躍に、ネット上では「全くボール取られる気しない」「ドリブル突破だけじゃなくて守備がうまいのも強み」「キック精度も良いしサッカー脳がすごい。中井くんは日本人としてはとんでもない選手になるかもな。身長あって足元の技術高いから奪われないボランチ。縦パス通すし、いざとなったらドリブル突破もできる」などと称賛の声が上がった。

(c)Getty Images

久保建英選手と比較されることも

ほぼ同時期に天才と騒がれた、久保建英選手と中井くん。当時、久保選手(現在は横浜・F・マリノス所属)はバルセロナ、中井くんはレアル・マドリードと、両者とも世界を代表するトップクラブに入団した。 久保選手は2001年6月4日生まれの17歳で、中井くんよりも2つ上の世代。おそらく、現在日本の若手で最も期待されている選手の1人だろう。

シュート、ドリブル、パスといった技術面も一流だが、ボールを触っていない時間帯の動き、メンタル、サッカー観もまた一流。和製メッシとも称される、「天才」の名に相応しいプレーヤーだ。

(Photo by Thananuwat Srirasant/Getty Images)

焦らずじっくり成長していって欲しいが、2022年のW杯で、両天才がピッチに立っている姿をどうしても期待してしまう。

ちなみに2016年12月29日には、プロスポーツトレーナーの木場克己氏が主催する「KOBA式体幹★バランス〜コバトレ」に2人とも参加し、共演を果たしている。

スペイン代表に?

「このまま活躍し続けると日本代表じゃなくてスペイン代表に行ってしまうのではないか」という懸念の声を見かけることがあるが、それは先の話であり、現時点では特に言及できることではない。

スペイン代表でも、日本代表でも、そこまでに選出されるレベルに成長してはじめて、本人も将来を考えるだろう。

(c)Getty Images

成長期であり、ぐんぐんと身長を伸ばしている中井くん。日本人選手は早熟で、足元の技術に優れていてもフィジカルで外国人選手に劣ってしまう、と指摘されることがあるが、このまま身長を伸ばし、体幹を鍛え、当たり負けない選手に成長して欲しい。

《関連記事》

レアル所属・中井卓大くんの身長の伸び方がエゲツなくて逆に心配?