【プロ野球/日本シリーズ】2戦目までに見えた両軍の“課題”を分析 東京ドームで流れを掴むためのカギとは

20日に開幕した「SMBC日本シリーズ2021」は、現在ヤクルトオリックスが1勝1敗の五分。ここでは、終盤まで目が離せなかった第2戦までの熱戦を振り返りつつ、第3戦以降の展望に目を向けてみたい。

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■シリーズは白熱の投手戦で開幕

何よりも印象的だったのは、両チームの先発投手だろう。第1戦、「投手5冠」のオリックス山本由伸は6回9奪三振1失点の好投。さすがの一言に尽きるが、ヤクルト奥川恭伸も2年目らしからぬ老獪なピッチングを披露し、7回1失点。日本シリーズの大舞台に相応しい投手戦となった。

そんな試合の終盤で際立ったのは、オリックス打線の粘り強さだ。2点ビハインドの9回にヤクルトの抑えマクガフを攻め立て、逆転サヨナラ勝利。無死一塁から貴重な四球を選んだジョーンズは、今季の代打打率.429。MLBオールスターにも5回選出された“スーパースター”でありながら、役割を徹底する献身的な姿がチームに与える影響は計り知れないだろう。今季のオリックスの強さの一端を垣間見たような試合だった。

続く第2戦は、新人王候補のオリックス宮城大弥が多彩な変化球を駆使し、7回2/3を1失点の好投。一方のヤクルト高橋奎二は、5回まで毎回安打を許すがストレート主体のピッチングで強気に攻め続け、粘り強く要所を締めた。そのまま9回を投げきり5安打5奪三振、133球でのプロ入り初完封でチームに貴重な勝利をもたらした。

この試合では、ヤクルト1点リードで迎えた9回表、1死一塁から中村悠平が犠打を決めた場面に注目したい。失敗すれば悪手になり得る可能性すらあったが、それでも高津監督は次打者のオスナに託すと、10月には打率.150と不振に喘いだ助っ人が貴重な適時打を放ち勝利を大きく引き寄せた。シーズンを通して続けてきた「全員野球」で掴み取った白星だろう。

■オリックスは「決定力」、ヤクルトはマクガフ復調が課題

では、2戦を終えた段階で両チームに潜む課題は何なのか。

オリックスには目立った不安要素が見られないとする向きもあるが、強いて挙げれば第2戦で「決定力」を欠いたところか。序盤は3度も先頭打者が出塁しながらチャンスを生かせず、残塁5でそのまま完封負け。第3戦からはDH制がない試合が続き、故障明けの吉田正尚を外野で起用しないといけない点も気がかりだ。

先発投手は田嶋大樹山﨑颯一郎山﨑福也が予想されている。山﨑颯と山﨑福は6回前後での降板が多いだけに、継投の妙が求められるケースも増えそうだ。

一方のヤクルトは、第1戦で攻略されたクローザーのマクガフを「起用せずに勝利してしまったこと」ではないだろうか。初戦では1死も奪えず被安打3、1四球で3失点。移動日も含めて生まれた登板間隔をポジティブに捉えることもできるが、悪いイメージを引きずったままであれば、試合終盤に不安を抱えることになる。

都市対抗野球の日程と重なり、今シリーズのヤクルトは東京ドームを「本拠地」として戦うが、マクガフは今季7登板で防御率6.43(※対巨人の防御率は4.50)と打ち込まれており、レギュラーシーズンの“残像”も振り払う必要がある。ヤクルト中継ぎ陣はマクガフと清水昇しかシリーズ登板を果たしていないが、早い段階で各投手が場数を踏めるか。

■第3戦以降のキーマンは…

ヤクルトの今後のキーマンを挙げるとすれば、京セラドーム大阪では不発だった山田哲人か。第2戦には3三振を喫するなど、ここまで8打数1安打5三振。今季は左投手相手に打率.308を残しており、田嶋や山崎福との対戦で復調へのきっかけを掴みたい。

オリックスからは、2番に入る宗佑磨。10月は18試合で打率.212と調子を落としていたが、シリーズ初戦でマクガフから値千金の同点タイムリーを放つなど、初球から積極的に振っていく様子からも現在の好調ぶりがうかがえる。クリーンアップに繋ぐという本来の役割に加えて、自らが試合の流れを引き寄せる一打を放つ場面が増えてくると、チームのムードも一気に盛り上がりそうだ。

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文・SPREAD編集部


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