秋のダート王を決めるチャンピオンズカップ(GI、中京ダ1800m)が5日、中京競馬場で行われる。
昨年の覇者で、ドバイワールドC2着のチュウワウィザード、今年の桜花賞馬でダート初参戦のソダシ、帝王賞を上がり最速で制したテーオーケインズ、2月のフェブラリーSでGIを初勝利し、史上4頭目の同一年春秋制覇を狙うカフェファラオなどが出走する。
ここでは予想のヒントになる「血統傾向」を分析していく。
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■スピード、パワー、持続力を備え持ったゴールドアリュール系が好成績
中京ダ1800mは、急坂途中からスタートし、向正面途中から下り坂になり、最後の直線では2度目の急坂を迎えるなどアップダウンが多くパワーやスタミナが必要である。また、直線も約410mと長いため、スピードの持続力も問われるコースだ。2016年以降の同条件重賞であるチャンピオンズカップと東海S(京都開催時は除く)の種牡馬成績は以下の通り。
国内ダート路線の代表的な種牡馬であるゴールドアリュールが最多の2勝を挙げており、回収値も100%を超えている。ゴールドアリュールを父に持つ種牡馬も含めると、【3-2-2-12】勝率15.8%、複勝率36.8%、単勝回収値124、複勝回収値161と信頼を置ける数字を残している。なかでも、前走と同距離、または距離延長の場合は【3-2-2-7】勝率21.4%、複勝率50%、単勝回収値168、複勝回収値219と数字が跳ね上がる。
今年出走予定のゴールドアリュール系はオーヴェルニュ(父スマートファルコン)、サンライズノヴァ(父ゴールドアリュール)の2頭。なかでも注目は中京ダ1800mで【3-0-0-0】と相性抜群のオーヴェルニュ。前走は不得意な距離短縮ローテでの敗戦だったものの、今回は最多の5勝を挙げている前走と同距離からのローテになるだけに好走に期待が高まる。
一方、その他のサンデーサイレンス系種牡馬の成績は【1-2-2-32】勝率2.7%、複勝率13.5%と全く振るわない。このような条件下で、同じサンデーサイレンス系であるゴールドアリュール産駒が良績を残せているのは、母父がヌレイエフで、ノーザンダンサーのクロスを持っており、父のスピードだけでなく母父からパワーや持続力を多く受け継いでいるからだろう。
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■パワーや持続力を備えたヌレイエフの血とノーザンダンサーのクロス
2016年以降のチャンピオンズカップの3着以内馬は以下の通り。
このように、ゴールドドリームが3度、インティが2度、リピーターとして好走している。この2頭に共通する血が上記で述べたヌレイエフの血だ。パワーや持続力を受け継ぐヌレイエフの血があることが、このタフなコースで好走している要因だろう。
また、ノーザンダンサーとニジンスキーのクロスを併せ持つなどノーザンダンサーの血が濃いゴールドドリームを象徴するように、チャンピオンズカップでは毎年ノーザンダンサーのクロスを持った馬が好走している。過去5年の3着内馬15頭のうち、10頭がこのクロスを持っている。
オッズが10倍以上で馬券になった馬は100%このノーザンダンサーのクロスかヌレイエフの血を持っており、実績面では、出走した年にダートGIかダート1800m以上の重賞で3着以内の実績があった。
今年の該当馬は、以下の8頭。
・エアスピネル
・チュウワウィザード
・カフェファラオ
・オーヴェルニュ
・サンライズホープ
・カジノフォンテン
・インティ
・サンライズノヴァ
なかでも注目は、サンライズホープ。関西所属のマジェスティックウォリアー産駒の牡馬が中京ダ1800mに出走すると【5-4-3-13】勝率20%、複勝率48%、単勝回収値202、複勝回収値149と期待値が高い。さらに、中5~9週のローテだと、【4-1-2-6】勝率30.8%、複勝率53.8%、単勝回収値291、複勝回収値186と好走率が上がる。自身も前走、中京で行われたシリウスSを勝つなど中京では3戦して連対を外しておらず、初GIで格上挑戦になるが、名前の通り、希望が持てる特注馬だ。
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チャンピオンズカップ2021予想コラム一覧
▼データ予想
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▼追い切り予想
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文・SPREAD編集部