プロボクシングのミドル級頂上決戦を制したのは、メキシコのサウル・“カネロ”・アルバレス選手だった。カザフスタンのハードパンチャー、ゲンナジー・ゴロフキン選手に判定2-0で勝利してプロ初黒星をつけ、1年ぶりの再戦に勝利している。
ラスベガスで開催されたビッグマッチの結果は、WBA世界ミドル級王者・村田諒太の今後にも大きく影響する結果となった。
ゴロフキンの勝利を願った村田だが思い届かず
1年前にも対戦したアルバレス選手とゴロフキン選手。そのときは判定1-1の引き分けに終わったが、ジャッジのひとりが118-110という大差をつけたことが物議をかもし、試合自体もゴロフキン選手がやや優勢とする見方が多かったため、ボクシングファンには釈然としない結果だった。
【THE ATHLETE】ゴロフキンの絶対感が薄れたミドル級、村田諒太は覇権を握れるか | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト
本来であれば、アルバレス選手とゴロフキン選手の再戦は2018年5月開催で話を進めていた。しかし、直前になってアルバレス選手にドーピング疑惑が持ち上がる。
アルバレス陣営は汚染肉を口にしたため陽性反応が出た、ドーピングはしていないと主張したがイメージダウンと試合の延期は避けられなかった。
アルバレスに薬物反応、ゴロフキンとの再戦を前にSNSも大荒れ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト
そのため試合前に更新したフェイスブックで、村田選手も「カネロが勝ったらなにも面白くない、と言うか、僕からしたらリングに上がる資格のない男。ゴロフキンはこの試合はビジネスだと言っていますが、この言葉に含まれる皮肉をボクシング界全体が受け止めなければいけないと思います」と厳しい論調で語っていた。
ゴロフキン頑張れ!
カネロが勝ったらなにも面白くない、と言うか、僕からしたらリングに上がる資格のない男
ゴロフキンはこの試合はビジネスだと言っていますが、この言葉に含まれる皮肉をボクシング界全体が受け止めなければいけないと思います。
その中でリアルを、ゴロフキン頼む!勝ってくれ!
様々な考え方があるなかで実現にこぎ着けたアルバレス対ゴロフキン第2戦だったが、試合はアルバレス選手の勝利に終わった。
このことが村田選手の今後にも影響してくる。
村田対ゴロフキンの統一戦が遠ざかる
村田選手とゴロフキン選手は、合同トレーニングを行いスパーリングもするなど交流があった。そのためゴロフキン選手が最大の関門であるアルバレス戦を乗り切れば、近いうちに東京ドームで村田選手とゴロフキン選手の統一戦を実現するプランがあり、村田選手もそこを目標にまずはラスベガスで行われる10月の防衛戦に備えていた。
だが、アルバレス戦の敗戦でゴロフキン選手はWBAスーパー王座を失い、8年ぶりに無冠となって村田選手との統一戦も遠ざかった。
ミドル級王座を獲得したリング上で「自分より強いチャンピオンがいる」と、ゴロフキン選手の名前を挙げ、大きな目標にしてきた村田選手だがプランの修正を迫られる。
アルバレスを日本に呼ぶのは興行的に難易度が高い
ゴロフキン選手が無理なら、勝ったアルバレス選手を呼べばいいのではと思う人も多いだろう。しかし、カザフスタン出身で言ってしまえばアメリカはアウェイだったゴロフキン選手と違い、メキシコ出身で北中米に絶大な支持基盤を持つアルバレス選手を日本に呼ぶのは難しい。
ドーピング問題で若干ケチはついたが、ゴロフキン選手との試合では体格差に怯まず、アグレッシブな展開で僅差の判定を制した。
36歳になったゴロフキン選手の年齢的な衰えを言う声もあるが、アルバレス選手の周到な準備が実を結んだ勝利で間違いない。
名実ともにミドル級最強のボクサーとなり、ラスベガスで試合をすればチケットやPPVが飛ぶように売れる選手を日本に呼ぶのは、興行面でハードルが高い。
村田選手が今後どのような道を歩むか、ボクシングファンは注目している。
≪関連記事≫
村田諒太、世界的な大企業MGMとのスポンサー契約を締結!日本人ボクサーとしては史上初…「ラスベガスでぜひタイトルマッチをやってみたい」
村田諒太のダウンタウン・浜田への”愛”が止まらない!「常に浜田さんが心の中にいる」