自動車の世界選手権フォーミュラ・ワンは3日、今季第21戦となるサウジアラビアGPが開幕となり、現在ランキング1位となっているレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが初のドライバーズ・タイトルを獲得する可能性がある。
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■1位と2位の一騎討ちに……
現在のドライバーズ・ランキングは、フェルスタッペンに続き、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、バルデリ・ボッタス(メルセデス)、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)となっているが、フェルスタッペン、ハミルトンが残り2戦をノーポイントで終え、ボッタスが最大の52ポイントを獲得したとしても2人を上回ることはなく、1位と2位の一騎打ちは明白だ。
その中で8ポイント差に追い上げられたフェルスタッペンがサウジGPでチャンピオンを獲得する可能性がいくつかある。
最終戦となるアブダビGPにおいて、フェルスタッペンがノーポイント、ハミルトンが優勝25ポイント+ファステストラップ1ポイントとしても26ポイント。つまりサウジGP終了時点で、2人の差が26ポイントとなれば、王者決定となる。ただし、今大会でハミルトンが26ポイントを獲得、フェルスタッペンがノーポイントに終わったとしても、ハミルトンは18ポイント差で逆転するに過ぎず、サウジGPでのハミルトン戴冠の可能性はない。
なお、現在の勝利数ではフェルスタッペンの9勝に対し、ハミルトン7勝となっているため、ポイント同点の場合はフェルスタッペンに軍配が挙がる。
フェルスタッペンの戴冠に向けまず必要な条件は、ハミルトンが6位以下で終わるレース結果だ。今シーズン20戦で、これを下回る戦績はスプリント予選も含め、わずか3レースのみ。ただし、クラッシュやマシントラブルという結末は、世界最速のレースについては常に起こり得る事態なので可能性としてはありえる。
一方のフェルスタッペンは少なくとも2位でレースを終えたいところ。彼もまた過去20戦を終え(予選を含め)これを下回った結果はわずかに4回と手堅い。この条件をまとめると別表の通りとなる。レース展開の中で、ハミルトンになんらかのトラブルがあり6位以下に沈んだ際は、この表でその後の成り行きを確認してもらいたい。
ご存知の通り、ホンダというブランドとしては、今季が最終戦と目されているだけに、有終の美を飾りたいところだ。
決勝は日本時間12月6日(月)午前2時30分より中継となる。
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文・SPREAD編集部