今週は阪神競馬場で第73回・阪神ジュベナイルF(GI、芝1600m)が行われる。前走ファンタジーSを快勝したウォーターナビレラ、2歳牝馬の登竜門・アルテミスSを勝利し勢いに乗るサークルオブライフ、前走赤松賞で突き抜けたナミュールらが出走予定だ。
ここでは阪神ジュベナイルFに駒を進めてきた有力馬6頭を分析し、予想のヒントとなる各馬の特徴を数値化しグラフで比較する。
算出方法は以下の通り。
・スピード→デビュー以降の走破時計と上がり3Fのタイム平均値を他馬と比較し数値化
・スタミナ→デビュー以降のラップタイムを前後半に分け、タイム差を基にレースのタフさを他馬と比較し数値化
・騎手→阪神芝1600mで開催されたGIの騎手成績を基に数値化
・血統→→阪神芝1600mで開催されたGIの血統成績を基に数値化
・適性→直近10年の阪神ジュベナイルFにおける走破時計とラップタイムの平均値を有力馬の戦歴(レースラップタイム)と比較し数値化
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/追い切りジャッジ】下位人気想定の穴馬に「A」の高評価 気配アップで「通用の可能性十分」
目次
■最高評価はファンタジーS2着馬
ウォーターナビレラ
牝 (栗)武幸四郎
父:シルバーステート 母:シャイニングサヤカ

・スピード「5」
・スタミナ「4」
・適性「5」
・騎手「3」
・血統「3」
特徴:前走ファンタジーSでは逃げるナムラデイリリーを2番手で追走、直線では34秒7の持続性のある末脚を繰り出して無傷の3連勝で重賞制覇となった。2歳牝馬とは思えないスイッチの切り替えの速さと競馬センスの高さを持っており、馬場問わず好走可能だろう。
評価:★★★★★
ステルナティーア
牝 (美)岩戸孝樹
父:ロードカナロア 母:ラルケット

・スピード「4」
・スタミナ「3」
・適性「2」
・騎手「5」
・血統「5」
特徴:前走のサウジアラビアRCは道中3番手でコマンドラインをマークしながら競馬を進めるも直線でギアが上がらず、2着に敗れた。極端なスローペースが招いた走破時計(1分36秒4)はレース史上最遅だったためGI特有のペースについて行けるかがカギとなりそう。兄には2歳時から活躍していたステルヴィオ(2018年マイルCS)がいる。
評価:★★★☆☆
ナミュール
牝 (栗)高野友和
父:ハービンジャー 母:サンブルエミューズ

・スピード「5」
・スタミナ「4」
・適性「4」
・騎手「3」
・血統「4」
特徴:切れ味のある末脚が武器。前走の勝ち時計(1分33秒8)は赤松賞史上、歴代最速タイムだった。新馬戦でマークした走破時計から5秒2も短縮した点からも、対応力はすでに「超一流」。近親にはBCディスタフを制したマルシュロレーヌがいる血統だ。
評価:★★★★☆
ベルクレスタ
牝 (栗)須貝尚介
父:ドゥラメンテ 母:ベルアリュール2

・スピード「3」
・スタミナ「5」
・適性「4」
・騎手「4」
・血統「5」
特徴:前走アルテミスSでは先行しながらも持続性のある末脚を武器に2着に好走した。半姉にアドマイヤリードがいる血統でマイル適性は抜群。父ドゥラメンテに変わったことで重厚感がアップ。バネのありそうな走法をしているためマイルで姉以上の活躍に期待が高まる。
評価:★★★★☆
サークルオブライフ
牝 (美)国枝栄
父:エピファネイア 母:シーブリーズライフ

・スピード「5」
・スタミナ「3」
・適性「5」
・騎手「3」
・血統「3」
特徴:前走アルテミスSでは前残りの厳しい展開の中、上がり最速となる33秒5の末脚で先に抜け出していたベルクレスタを差し切った。アルテミスSを先行して勝利した馬が阪神ジュベナイルFでも好走傾向にあるだけにポジションがカギになるだろう。
評価:★★★☆☆
ナムラクレア(特注馬)
牝 (栗)長谷川浩
父:ミッキーアイル 母:サンクイーンII

・スピード「5」
・スタミナ「4」
・適性「5」
・騎手「4」
・血統「4」
特徴:前走ファンタジーSではウォーターナビレラが先に抜け出す展開だったが、それでも3番手から脚を伸ばし続け、上がり最速をマークするなど阪神ジュベナイルFの好走パターンに該当するレース内容で好走した。諦めずに追い続ける浜中騎手との相性も抜群。スピード性能はメンバー中最上位だろう。
評価:★★★★★
▼その他データ予想
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/騎手データ】高い馬券内率を誇る騎手の「馬連+3連複1点」推奨 注目は勝率66.7%→100%の”爆跳ね”条件
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/データ攻略-前編】有力馬2頭に“明と暗” 「連対率75%」の抜群の相性を誇る関西馬に注目
◆【阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想/データ攻略-後編】「血」の力で浮上する、“爆穴”の可能性を秘めた2頭に注目
阪神ジュベナイルフィリーズ2021予想コラム一覧
▼追い切り予想
◆【S評価】“特筆レベル”で内容も文句なしの「S」評価 「調整法もしっくりハマっている」
◆【A評価】サークルオブライフを上回る高評価 ガス抜き完了で「1F延長でも問題なし」
◆【A評価】下位人気想定の穴馬に「A」の高評価 気配アップで「通用の可能性十分」
◆【B評価】2歳女王の座を狙う人気馬に辛口評価 「まだ素軽さ満点とは言い切れない」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズ-前編】ファンタジーS組2騎を軽視 ポイントは“マイル以上”と“牡馬相手”の実績
◆【穴馬アナライズ-後編Vol.1】前売り“6人気以下”の盲点 実績面から「上位争いの可能性」
◆【穴馬アナライズ-後編Vol.2】単勝“50倍以上”の伏兵 初勝利から急成長で「積極的に買い」
◆【危険な人気馬-前編】人気先行の良血馬は“消し” 2歳女王決定戦で「買うべきではない」1頭とは
◆【危険な人気馬-後編】有力馬を上回る「スピード×急坂適性」を持つ、栗東の“坂路番長”を本命視
▼その他データ傾向
◆【枠順】“兄弟タッグ”で注目のウォーターナビレラは7枠13番に、最多勝利の1枠には伏兵馬
◆【血統傾向】6年連続好走中の血統に共通する「マイル実績」 注目は2歳GI馬の血を引く伏兵馬
◆【脚質傾向】先行激化で浮上する、5年連続好走中の「上がり最速馬」に注目
◆【前走ローテ】「アルテミスS組」からソダシに続く2歳女王の誕生なるか
◆【人気傾向】1・2番人気決着が過去3回も、オッズ混戦で浮上する「5番人気」の激走に注目
文・西舘洸希(SPREAD編集部)