Advertisement

2022年世界ラリーレイド選手権初開催 トヨタは3年ぶりのダカール・ラリー奪還を誓う

2022年世界ラリーレイド選手権初開催 トヨタは3年ぶりのダカール・ラリー奪還を誓う
TGRのハイラックス(C)TGR

世界自動車連盟FIA)は11月、ワールドモータースポーツカウンシル評議員による投票の結果、FIA世界ラリーレイド選手権W2RC)の開催スケジュールを承認、これにより2022年に同選手権が初めて開催される運びとなった。

新シリーズは初年度に全5戦を予定。その開幕戦となるのが、世界のラリーレイドの代名詞である「ダカール・ラリー」。W2RCは、FIAとダカールラリーの主催者でもあるASOAmaury Sport Organization)による協力のもと、ASOが全戦シリーズプロモーターを務める。

2022年世界ラリーレイド選手権スケジュール

第1戦 1月1~14日 ダカール・ラリー(サウジアラビア)

第2戦 3月5~10日 アブダビ・デザートチャレンジ(アブダビ)

第3戦 4月24~30日 カザフスタンラリー(カザフスタン)

第4戦 6月6~12日 ラリーアンダルシア(スペイン)

第5戦 10月6~12日 ラリーデュモロッコ(モロッコ)

■新型車両で総合優勝を目指すTGR

TGRはGRダカールハイラックスT1+を投入(C)TGR

TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)は、サウジアラビアを舞台に2022年1月1日から1月14日まで行われる歴史あるダカール・ラリー2022に、ナッサー・アルアティヤマシュー・ボーメル組を筆頭に、ベテランのジニエル・ド・ヴィリエールデニス・マーフィ組、ヘンク・ラテガンブレット・カミングス組、シャミア・ヴァリアワダニー・スタッセン組の4台体制で世界でも最も過酷な自動車レースに挑み、2019年以来の総合優勝を目指す。

Advertisement


特に2011年、15年、19年と3度の同ラリーのチャンピオンであり「砂漠の王」の異名を持つアルアティヤとボーメル組はハイル・インターナショナル・ラリーで優勝を遂げ、2021年FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップでは6戦中4勝でチャンピオンを獲得、ダカールラリー奪還の旗手となる。

TGRは今回、全く新しいGRダカールハイラックスT1+を開発。同ラリーは、新型車両にとってデビュー戦となる。新型GRダカールハイラックスT1+は、ランドクルーザー300のV6ガソリン・ツインターボエンジンを搭載、よりも大径のホイールと、シングルショックアブソーバーにより伸びたストロークにより力強い外観をもたらしている。

新型車両はすでに、アフリカ・カラハリ砂漠でのテストなどを重ね、ダンパーセットアップによる車体の安定など、ダカール・ラリー向けにセットアップを詰めている。アルアティヤとド・ヴィリエールの両ドライバーはレース直前の最後の数週間、新型車両でのセットアップの最終微調整を行い、ハンドリングとスピードを両立した良いバランスに自信を深めている。

■自信をのぞかせるエース・アルアティヤ

総合優勝を目指すTGRのボーメル(左)とアルアティヤ(C)TGR

ダカール・ラリー2022は、1月1日にジッダ市内からハイルへ向かうリエゾンからスタート。815キロのロードセクションを走破した後、各チームは19キロの短いタイムセクションに挑み、この結果によりステージ1のスタート順位が決定される。

その後、ラリールートはサウジアラビア国内を時計回りに進み、アル・アルタウィヤとアル・カイスマを経て首都リヤドへ。その後の2日間はリヤドをスタートしてリヤドへと戻るコースで実施され、1月8日にリヤドでの休息日を迎えた後、ラリーはアル・ダワディミ、ワディ・アド・ダワシール、ビシャを経て、1月14日にジッダに戻りフィニッシュを迎える。

エースのアルアティヤは、「2021年のワールドカップを制し、TGRと共に3度目のタイトルを勝ち取ることが出来たことを本当に誇りに思います。2021年は出場した全レースで勝つことができ、ハイラックスは信じられないほどの信頼性と素晴らしい速さを示してくれましたが、新型車は間違いなくさらにそれよりも良くなっています。ダカール・ラリー2022では、表彰台の中央を目指しスタートからアタックするつもりです」とその自信のほどをのぞかせている。

Advertisement


TGR参戦車

201号車:ナッサー・アルアティヤ(ドライバー)-マシュー・ボーメル(コ・ドライバー)

207号車:ジニエル・ド・ヴィリエール(ドライバー)-デニス・マーフィ(コ・ドライバー)

225号車:ヘンク・ラテガン(ドライバー)-ブレット・カミングス(コ・ドライバー)

233号車:シャミア・ヴァリアワ(ドライバー)-ダニー・スタッセン(コ・ドライバー)

なお、今回のレースにはサウジアラビア自動車オートバイ連盟から女性ドライバー2名の参戦が発表されており、同国の女性がレースに参戦するのはこれが初めて。サウジでは2018年に女性の自動車運転が解禁されている。W2RC初開催の初戦とともに、様々な意味で歴史的なラリーレイドとなりそうだ。

◆トヨタのナッサー・アルアティヤが1位スタートへ 2022年世界ラリーレイド選手権初戦

◆ダカール・ラリー2022 TOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アルアティヤ組が総合優勝 アリ・バタネンの4度制覇に並ぶ

◆「世界一過酷」な大砂漠のレース、その光と影 ダカールラリー2021を振り返って

文・SPREAD編集部