2大会ぶり3度目のベスト16進出を果たしたロシアW杯サッカー日本代表。
W杯アジア最終予選を勝ち抜いて本大会出場に導いた指揮官・ハリルホジッチ監督を開幕2ヶ月前に解任し、西野朗監督が急遽就任するなど波乱の連続だった。
メンバー選考は経験があるベテランを重視。平均年齢が高いこともあり、“おっさんJAPAN”と揶揄されることもあったが。その不安を見事に払拭してみせた。
初戦はブラジルW杯でも対戦したコロンビア
W杯初戦の相手はコロンビア。前回のブラジルW杯では大会得点王となったハメス・ロドリゲス選手らに得点を許し、1-4で完敗した相手だ。この悔しさを知る選手も多く先発した。
試合は、前半開始早々に相手選手がペナルティエリアでハンドを犯し、レッドカードで退場。このPKを香川真司選手がしっかりと沈め、先制に成功した。
数的有利の日本であったが、壁の下を通す絶妙なFKを決められてしまい、同点に追いつかれてしまう。
それでも本田圭佑選手のCKから大迫選手が頭で合わせて勝ち越しに成功。これが決勝ゴールとなり、初戦で貴重な勝ち点3を獲得した。
勝利の立役者となった大迫勇也選手に対し、「大迫半端ないって」フィーバーが日本中で巻き起こった。
難敵セネガル戦
続く相手は、前の試合でグループ内でFIFAランキング最上位のポーランドを撃破したセネガル。
巨漢DFカリドゥ・クリバリ選手や、快速FWサディオ・マネ選手などトップレベルで活躍する選手を擁し、厳しい戦いが予想された。
試合は、前半の11分という早い時間帯にマネ選手に先制ゴールを許す苦しい展開になる。それでも乾貴士選手のゴールで同点に追いついて前半が終了。
後半に入り、71分に再び失点してしまうが、日本代表はその直後にジョーカー本田選手を投入する。その本田選手が見事同点ゴールを挙げ、そのまま引き分けで試合を終えた。
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昨日の試合も応援ありがとうございました!! 勝ちきりたかったですが、二度追いつけたのは収穫!! ポーランドに勝って決勝トーナメントに行きたいと思います!! また応援よろしくお願いします!!
僅差の予選勝ち抜きに繋がったポーランド戦
第3戦は、すでに敗退が決定済のポーランドと対戦した。
「勝てば自力で決勝トーナメント進出決定、引き分け以下ならコロンビア対セネガルの試合結果次第で進出が決まる」という状況だったこともあり、西野監督はメンバーを大幅に入れ替えて臨むことに。
試合は、前半はスコアレスで折り返すと、後半に入りセットプレーから失点を喫した。
これを受け、西野監督は同時刻に行われていた試合の状況を選手に伝える。コロンビアがリードしていたため、西野監督はリスクを犯さずにボールを回してそのまま試合を終えることを指示した。
日本は敗れ、もう一方の試合はコロンビアが勝利。日本とセネガルは勝ち点・得失点・総得点で並ぶもフェアプレーポイントの差で日本が2位に滑り込み、ベスト16進出が決まった。
強豪ベルギーとの対戦
決勝トーナメント一回戦では優勝候補の一角のベルギーと対戦。ヨーロッパの第一線で活躍するタレントが多く集まる強豪相手に、日本がどのような戦いを見せるのか注目が集まった。
前半を0-0で折り返すと、後半開始早々、柴崎岳選手のスルーパスに抜け出した原口元気選手が右足を一閃。これがゴール左隅に突き刺さり、先制に成功。
その直後にも乾貴士選手のペナルティエリア外からの無回転ミドルシュートで追加点を挙げ、リードを2点に広げた。
世界最高峰のGKクルトワ選手も止められない完璧なシュートだったこともあり、2選手の活躍は世界から絶賛される。しかし、この失点直後から追い込まれたベルギーが本気を出し始めた。
(c)Getty Images
CK後、ゴール前の混戦からループ気味のヘディングがそのままゴールに吸い込まれ、1点を返されてしまう。その後も長身選手のフェライニ選手のヘディングが決まり、同点。
試合終了間際には美しい高速カウンターから途中出場のシャドリ選手が逆転ゴールを決め、日本はリードを守りきれず2-3で敗戦した。
日本サッカー初のベスト8が手に届きそうなところまで来ていただけに、ベルギー戦は悔しさの残る試合となった。
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ありがとう。 やりきった。 出し切った。 最高に楽しいW杯だった。 こんな下手くそを使ってくれた監督、仲間、いっぱいのエネルギーを送ってくれた皆さんに心から感謝します。
カタールW杯で史上最高成績に期待
日本代表は、1998年に初出場したフランス大会以降、6大会連続でW杯に出場している。
1998年フランスW杯:グループリーグ敗退
2002年日韓W杯:ベスト16
2006年ドイツW杯:グループリーグ敗退
2010年南アフリカW杯:ベスト16
2014年ブラジルW杯:グループリーグ敗退
2018年ロシアW杯:ベスト16
2大会に1回のペースでベスト16に進出しているが、未だベスト8の壁は越えられていない。
2022年カタールW杯は、日韓大会以来となるアジア地域での開催だ。地の利を活かし、史上最高の成績を期待したい。