17年ぶりのセ・リーグ最下位が確定してしまった阪神。9月途中までは十分にCSを狙える位置につけていたが、終盤に失速してしまった。
成績不振の責任を取り金本知憲監督が辞任した今、注目が集まるのはドラフト会議の指名選手だ。阪神は辰巳涼介選手(立命館大)、藤原恭大選手(大阪桐蔭高)等の指名に動くとみられるが、果たして。
今年の成績は?
10月9日現在、阪神のチーム防御率はセ・リーグ2位の成績だが、チーム打率はワースト2位。推定年俸3億4000万の助っ人外国人・ロサリオ選手も不振にあえぎ、鉄人・鳥谷選手も不調に終わった。
ただ、北條史也選手と糸原健斗選手の二遊間コンビなど期待の若手も早々とチームの主軸に育て上げたいところ。
来年42歳の福留孝介選手や38歳の糸井嘉男選手が中心の外野手陣は、高齢化が深刻だ。2016年の新人王・髙山俊選手や、昨季20本塁打の中谷将大選手などが伸び悩む。
投手陣も9月途中まではチーム防御率3点台でリーグ1位だったが、終盤に大きく数字を落とした。昨年12勝を挙げた秋山拓巳投手も今年は5勝10敗と大きく負け越している。
エース格の投手は、来年から日本人選手扱いになる37歳のメッセンジャー投手くらい。藤浪晋太郎投手も不調だが、9月に2年ぶりの完封勝利を挙げ、来季の完全復活に期待がかかる。
他にも高卒2年目の才木浩人投手や大卒2年目の小野泰己投手の台頭は好材料。来季は1年間ローテーションを守り、今年以上の成績を残したいところだ。
リリーフ陣は藤川球児投手や能見篤史投手、桑原謙太朗投手が奮闘した。しかし、それぞれ38歳・39歳・32歳と高齢化が進み、ここでも若手の成長を促したい。
巻き返しを図る2019年に向けて重要なドラフト会議
屈辱的な最下位が決まった今、来シーズンに向けチームの立て直しは急務。そのためにも、今月に行われるドラフト会議を有効に使いたいところだ。
上記のチーム状況を考えると、チームの主軸となりうる外野手、エース候補投手、若手のリリーフ投手といったところが補強ポイントになってくるだろう。
過去5年間のドラフト
2017年
順位 | 守備位置 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 投手 | 馬場 皐輔 | 仙台大 |
2位 | 投手 | 髙橋 遥人 | 亜細亜大 |
3位 | 内野手 | 熊谷 敬宥 | 立教大 |
4位 | 外野手 | 島田 海吏 | 上武大 |
5位 | 投手 | 谷川 昌希 | 九州三菱自動車 |
6位 | 投手 | 牧 丈一郎 | 啓新高 |
育成1位 | 投手 | 石井 将希 | 上武大 |
2016年
順位 | 守備位置 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 内野手 | 大山 悠輔 | 白鷗大 |
2位 | 投手 | 小野 泰己 | 富士大 |
3位 | 投手 | 才木 浩人 | 須磨翔風高 |
4位 | 投手 | 浜地 真澄 | 福岡大附属大濠高 |
5位 | 内野手 | 糸原 健斗 | JX-ENEOS |
6位 | 投手 | 福永 春吾 | 徳島インディゴソックス |
7位 | 捕手 | 長坂 拳弥 | 東北福祉大 |
8位 | 投手 | 藤谷 洸介 | パナソニック |
2015年
順位 | 守備位置 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 外野手 | 髙山 俊 | 明治大 |
2位 | 捕手 | 坂本 誠志郎 | 明治大 |
3位 | 投手 | 竹安 大知 | 熊本ゴールデンラークス |
4位 | 投手 | 望月 惇志 | 横浜創学館高 |
5位 | 投手 | 青柳 晃洋 | 帝京大 |
6位 | 外野手 | 板山 祐太郎 | 亜細亜大 |
2014年
順位 | 守備位置 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 投手 | 横山 雄哉 | 新日鐵住金鹿島 |
2位 | 投手 | 石崎 剛 | 新日鐵住金鹿島 |
3位 | 外野手 | 江越 大賀 | 駒澤大 |
4位 | 投手 | 守屋 功輝 | Honda鈴鹿 |
5位 | 内野手 | 植田 海 | 近江高 |
2013年
順位 | 守備位置 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 投手 | 岩貞 祐太 | 横浜商科大 |
2位 | 外野手 | 横田 慎太郎 | 鹿児島実業高 |
3位 | 内野手 | 陽川 尚将 | 東京農業大 |
4位 | 捕手 | 梅野 隆太郎 | 福岡大 |
5位 | 投手 | 山本 翔也 | 王子製紙 |
6位 | 投手 | 岩崎 優 | 国士舘大 |
過去5年間のドラフト会議を振り返ると、上位には大学生・社会人が多く指名されていることが分かる。その傾向と補強ポイントを照らし合わせてみると、おのずと1位候補は即戦力の外野手や投手だ。
となると、以下の6選手あたりは1位で指名される可能性があるのではないか。
・辰巳涼介選手(立命館大)
走・攻・守三拍子揃った外野手。大学日本代表常連で即戦力との呼び声高い。
「第29回 ハーレムベースボールウィーク2018」で見事優勝した侍ジャパン大学代表。24日、優勝記者会見が行われ生田勉監督、辰己涼介主将(立命館大)、松本航投手(日本体育大)が登壇。長期海外遠征の成果を語りました。https://t.co/lNDA2BP53J #侍ジャパン pic.twitter.com/oyZbpDFvtQ
— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) 2018年7月24日
・上茶谷大河投手(東洋大)
安定感に定評のある投手。特に制球力が持ち味で、奪三振能力も高く、今年の春には東都大学野球でMVPを受賞している。
【5回終了Ⅰ部】第2試合 @神宮球場
駒澤大 0×1 東洋大
(写真 1枚目:東洋大・上茶谷、2枚目:駒澤大・多崎、3枚目:東洋大・中川、4枚目:駒澤大・平野) pic.twitter.com/3Uf5oIzcqk— 東都大学野球連盟 (@Tohto_bbl) 2018年10月10日
・甲斐野央投手(東洋大)
東洋大の抑えを務める投手。最速159キロとも言われる速球とキレのあるスライダー・スプリットが武器の投手。プロ1年目からリリーフとして十分に活躍できる素材を持っている。
【東都春季プレイバック】
剛速球とフォークが持ち味の東洋大・甲斐野央投手150キロを超える剛速球と伝家の宝刀フォークが持ち味の甲斐野投手。映像では春季に投げた151キロ以上のストレートと140キロ以上のフォークボールを全球お送り致します。https://t.co/iwIVlE4LSr pic.twitter.com/VY7Fns6DGr
— 東都大学野球連盟 (@Tohto_bbl) 2018年8月13日
・梅津晃大投手(東洋大)
長身から投げ下ろす速球が一級品の本格派右腕。怪我に悩まされる時期もあったが、ポテンシャルは随一。大学では先発・救援のどちらも経験があり、色々な可能性を秘めている投手だ。
【秋季リーグ戦情報】
東都1週目で、東洋大が日大から勝ち点を挙げました!第1戦を落としたものの、続く2・3戦目で勝利し粘り強さを見せました!
今カードで輝いたサマーリーガーは梅津晃大(3年投手・仙台育英)です!エース飯田が失点した後の悪い流れを好リリーフで切り抜けました! pic.twitter.com/NqTYfHPIrX— 大学野球サマーリーグ (@sml_sanjo) 2017年9月10日
・松本航投手(日体大)
明石商業高校時代からプロが注目していた右腕。今年行われた日米大学野球では、アメリカ大学代表打線相手に7回16奪三振の好投。素質の高さを見せつけ、プロでも即戦力として名前が挙がる。
第42回 日米大学野球選手権大会 第2戦
日本 0 – 1 アメリカ
松本航投手が7回16K無失点の力投も打線が援護できず敗戦https://t.co/o1PBmseZfc#侍ジャパン pic.twitter.com/oqmmIyYkbU— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) 2018年7月5日
・藤原恭大選手(大阪桐蔭)
高校2年次からU-18侍ジャパン代表入りを果たし、今年の夏の甲子園でも大阪桐蔭の優勝に貢献した外野手。
高校生ながら、走・攻・守三拍子揃っており、プロでも十分に活躍できると見られている。
なお、弊メディアが独自に読者へアンケートを採ったところ、ダントツで阪神のドラフト1位に藤原選手を予想する声がダントツで多いという結果が出た。やはり、甲子園で躍動する藤原選手を見たいという声は多いということか。
【ドラフトアンケート】
2018ドラフト会議、阪神タイガースが1位指名するのは……— SPREAD (@editor_spread) 2018年10月11日
チーム内に競争を生み出し復権へドラフト会議で有力な選手の入団が決まれば、他の若手選手も危機感を感じ、チーム内にもいい競争が生まれることも期待できる。
阪神には有望な若手選手も多く在籍しているため、そのような環境を作りつつ、世代交代も果たすことができれば来シーズンの復権も十分にあり得ることだろう。
果たしてどのような戦略を持ってドラフト会議に臨むのか、注目したい。
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