今週は中山競馬場で中山記念(芝1800m)が行われる。
クセのあるコースに開幕週での施行ということもあり、波乱傾向が強い一戦。逃げ・先行馬の好走が目立っており、脚質は重要なファクターと言えるだろう。
この記事では過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに、有力馬と穴馬候補を紐解いていく。
◆【中山記念2022予想/追い切り診断】上位人気に不満の「B」評価 ギアの入りが半端「万全とは言えない」
■ダノンザキッドを後押しする「馬券内率77.7%」データ
前走マイルCSは3着と復活ののろしを上げる好走。2歳時にのちの菊花賞1、2着馬(タイトルホルダー、オーソクレース)を下したポテンシャルの一端を証明したのがダノンザキッドだ。今回は久々の1800m替わりに大外枠と課題も少なくないが、データ面での追い風はある。
・4角3番手以内でのGI連対歴がある4歳馬【2-2-3-2】
馬券内率に換算すると77.7%。すでに実績を積み重ねていた3人気1着ヌーヴォレコルトや6人気2着ラッキーライラック、5人気2着アエロリットもこれに該当しており信頼度の高いデータと言えそうだ。飛躍の2022年へ、好スタートを切りたいところだ。
◆【中山記念2022/枠順】最多3勝の「良枠」にはパンサラッサ 人気のダノンザキッドは大外枠からの発走
■カラテにのしかかる「前走4角10番手以下」の壁
年明けの2戦はそれぞれ1、3着。すっかり重賞戦線の常連に定着したカラテ。今回は久々の1800m替わりだが、目下の充実ぶりを考えれば大きな問題ではないのかもしれない。ただ、問題となるのは以下のデータだ。
・前走4角10番手以下を進んだ馬の成績【0-0-1-26】
アンビシャス、ペルシアンナイトなど1人気だった馬もこれに該当。その結果、人気を裏切る結果に終わってしまっていた。開幕週の中山で施行される中山記念の特徴が顕著に現れたデータと言えよう。舞台替わりでの差し損ねは想定しておくべきか。
後編ではデータ面から浮上する中山記念の穴馬候補2頭を紹介する。
◆【中山記念2022予想/データ攻略-後編】想定30倍前後の盲点 条件好転で「馬券内率100%」が後押し
▼その他データ予想
◆【中山記念2022予想/騎手データ】前日20倍前後でも侮れない人馬 「連対率100%」に該当で軽視禁物
中山記念2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【S評価】重賞未勝利でも最高評価「S」 気迫の最終追いで「勝ち負け濃厚」
◆【A評価】人気一角は及第点「A」評価 押せ押せローテも「使ってさらに上向き」
◆【A評価】ダノンを上回る「A」評価は穴馬 陣営評を覆す「乗り込みの質と量」
◆【B評価】上位人気に不満の「B」評価 ギアの入りが半端「万全とは言えない」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】単勝オッズ“2桁”以上の刺客 「舞台が中山ならアタマも狙える」
◆【穴馬アナライズVol.2】想定“7人気”前後の盲点 「前走大敗でここは妙味あり」
◆【穴馬アナライズVol.3】惨敗続きで“下位人気”の爆穴 「カギを握る先行勢の一発」
◆【危険な人気馬-前編】上位人気の一角は“消し” 春の中距離路線を占う一戦で「買うべきではない」1頭とは
◆【危険な人気馬-後編】高配当メーカーの爆穴に再度注目 逃げ馬多数でも「展開不問」
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】最多3勝の「良枠」にはパンサラッサ 人気のダノンザキッドは大外枠からの発走
◆【血統傾向】惨敗続きの穴馬に”妙味” 単回収値「959」の復活を期す重賞馬
◆【脚質傾向】先行が驚異の「勝率90.0%」も、好走に必要な条件とは
◆【前走ローテ】注目すべきはレースのクラスも、連対への「必須条件」とは
◆【人気傾向】1人気が連勝中も、注意すべきは2人気との「オッズ差」
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「中山記念編」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。