ドラフト会議を直前に控え、プロ志望届を提出した高校生や大学生、社会人野球選手などは緊張した面持ちで待ち構えていることだろう。
今年は高校生が豊作の年だ。金足農業の吉田輝星投手、大阪桐蔭の根尾昂選手、藤原恭大選手や報徳学園の小園海斗選手らは1位指名が確実視されている。しかし、彼らをも凌ぐようなスケールの大きさやポテンシャルを秘めたドラフト候補がいる。
その“ロマン枠”として、今年名前が挙がるのが横浜高校の万波中正(まんなみ ちゅうせい)選手だ。
万波ロマンあるなぁ
— NT (@NT19451018) 2018年7月29日
驚異の身体能力を誇るハーフ外野手
万波選手はコンゴ出身の父と日本人の母を持つハーフで、右投げ右打ちの外野手。190センチという恵まれた体格を生かした日本人離れしたパワーが持ち味だ。
東京都練馬区出身で、中学では名門の東練馬シニアに入団し、全国大会でベスト4に進出するなど輝かしい成績を収めた。野球と並行して中学校の陸上部にも所属し、砲丸投げで都大会優勝を果たすなど当時から驚異の身体能力を誇った。
規格外のパワーと強肩を持ち合わせるポテンシャルの高さから、中学時代からテレビで取材されるほど。当時からプロのスカウトに注目されていた。
その後、万波選手は名門・横浜高校に入学。強力なライバルの中で1年春からベンチ入りを果たすと、夏の大会では横浜スタジアムのバックスクリーンへ強烈なホームランを放ち、高校生離れしたパワーを見せつけた。
1年生の頃から活躍を見せ、同じハーフ選手として甲子園で活躍し、楽天に入団したオコエ瑠偉選手にちなんで、「オコエ2世」として注目される。しかし、粗削りのバッティングフォームから調子を崩すことも多く、打撃に安定感がないことが課題とされた。
3年夏では一時メンバー外に
万波選手は、2年夏までレギュラーとして活躍したが、秋頃から不振に陥ってしまう。クリーンアップを打っていた打順も下位打線へと下がっていった。
3年夏の一次のメンバー発表ではメンバー外に。それでも気持ちを切らさずに最後までアピールを続け、土壇場で背番号13としてベンチ入りメンバーに選出された。
監督の判断が功を奏したのか、万波選手は夏の神奈川県大会で大爆発。
準々決勝で1年夏の再来のようなバックスクリーン弾を放つと、決勝でも横浜スタジアムのレフト上段まで飛ばす超特大2ランを放つなど、打率.542、本塁打2、打点12の好成績を残す。高校通算本塁打数も40本となり、横浜高校3年連続の甲子園出場に大きく貢献した。
浜スタ来てよかった
万波君の打球やばい
バックスクリーンはやばい
とにかくやばい— よだなな⊿ (@nogis2) 2018年7月23日
万波よくベンチ外の可能性もあった中4番まで戻ってきたな
— ゑゑ (@ankzchang) 2018年8月14日
ただ、甲子園の舞台では打率.143と結果を残せず、吉田輝星投手擁する金足農業に3回戦で敗れた。
投手としての可能性も?
万波選手は中学時代から投手も務め、中学生ながら130キロ後半を叩き出していた。高校では140キロ後半を投げるまで球速も上げ、2年夏の甲子園でマウンドに上がるなど、投手もこなす運動センスを持ち合わせている。
可能性は低いが、投手と野手の二刀流としてプロ入りする場合もある。
中日は根尾君と横浜の万波君の両二刀流の指名を検討してるようだ。万波君は技術はないが才能はずば抜けてる。いいんじゃないかな。スラムダンクでいえば、流川と桜木みたいで。
— 勝利 (@k6DHSfFZPlcZCZb) 2018年9月20日
プロで才能開花に期待
未完の大器と称されることの多い万波選手だが、才能が開花すれば日本球界を背負って立つ選手になるかもしれない。
様々な可能性を秘めた万波選手がどの球団から指名を受けるのか、10月25日のドラフト会議から目が離せない。
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