明日17日は中山競馬場で皐月賞(GI、芝2000m)が行われます。牡馬3冠路線の1冠目となるレースで、2000年以降もディープインパクト、ヴィクトワールピサ、オルフェーヴル、ゴールドシップ、ドゥラメンテ、コントレイル、エフフォーリアら歴史に名を刻む多くの名馬が制してきました。
今回は東京で行われた2011年を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきます。
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目次
■皐月賞男はM.デムーロ騎手
今年の皐月賞に騎乗する騎手の中で2000年以降騎乗経験があるのは16名。各騎手の騎手データは次の通りです。
データから一目瞭然ですが、皐月賞は連対率を重視して見た場合、騎手の得意・不得意がはっきりしています。多くの騎手が連対率0%または10%台の中、40%を超える高い連対率を誇るのがM.デムーロ騎手と川田将雅騎手です。
まず最多となる4勝を挙げるM.デムーロ騎手について見ていきましょう。2002年のタイガーカフェ(8人気2着)、03年のネオユニヴァース(1人気1着)、04年のダイワメジャー(10人気1着)と3年連続連対があり、2010年代に入っても13年のロゴタイプ(1人気)、15年のドゥラメンテ(3人気)の2頭を勝利に導いています。18年以降は掲示板前後に落ち着いていますが、皐月賞で最も頼りになる騎手と考えて良さそうです。また、何よりも人気以上の着順に導けているのが心強いですね。
同騎手のデータを細かく見ていくと、社台ファーム生産馬に騎乗時は【3-1-0-1】の連対率80%と鉄板級のデータが見つかります。一方、ノーザンファーム生産馬に騎乗時は【1-0-0-5】の連対率16.7%とソコソコの成績に留まるのが特徴かもしれません。
そんなM.デムーロ騎手が今年の皐月賞で跨るのがノーザンファーム生産馬のジャスティンパレス(栗東・杉山晴紀厩舎)。前日17時時点で9番人気と伏兵に過ぎない同馬ですが、人気以上の激走が見られるのか注目です。
■川田将雅騎手は5番人気以内が狙い
続いて連対率44.4%とM.デムーロ騎手に次ぐ連対率を誇る川田将雅騎手について見ていきましょう。2008年のキャプテントゥーレ(7人気1着)、14年のトゥザワールド(1人気2着)、16年のマカヒキ(3人気2着)、19年のヴェロックス(4人気2着)と集計期間内で4度の連対があります。背負う人気と比べると着順の落ち込みが見られますが、これは昨年のダノンザキッド(1人気15着)の結果が影響していますね。
なお【川田将雅騎手】×【5番人気以内】の組み合わせは【0-3-0-1】連対率75%と数値が大きく上昇します。頭まではどうかも連軸候補としては最適かもしれません。
同騎手が今年の皐月賞で騎乗を予定するのが前日17時時点2番人気のダノンベルーガ(美浦・堀宣行厩舎)。当日もこの人気を維持できるようなら馬連の軸としてオススメです。
■C.ルメール騎手、武豊騎手は過信禁物
最後に人気馬に跨る機会が多いC.ルメール騎手、武豊騎手の2騎手について見ていきます。
まずC.ルメール騎手ですが、2019年のサートゥルナーリア(1人気)こそ勝利に導いたものの、15年のサトノクラウン(1人気6着)、16年のサトノダイヤモンド(1人気3着)、18年のステルヴィオ(2人気4着)など人気馬で勝ち切れていないのは気になりますね。また所属別に見ていくと関東馬は【0-0-0-4】連対率0%、関西馬は【1-0-1-1】連対率33.3%と東西で明暗が分かれています。
そしてC.ルメール騎手が今年跨るのが関東馬のイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)。前日17時時点で2番人気ですが、データ上は強調材料を欠きます。
2000年のエアシャカール(2人気)、05年のディープインパクト(1人気)で集計期間内2勝を挙げる武豊騎手ですが、06年以降は基本的に人気以下の着順が続いています。なお、ノーザンファーム生産馬に騎乗時は【1-0-1-7】連対率11.1%と数字が下がることは覚えておきたいですね。
同騎手は前日16時半時点で1番人気のノーザンファーム生産馬・ドウデュース(栗東・友道康夫)に騎乗予定。先のC.ルメール騎手と同様に強調材料を欠く組み合わせですから軽視すべき1番人気馬かもしれません。
以上、皐月賞の気になる騎手データのご紹介でした。今回は優れた連対率を誇るM.デムーロ騎手、川田将雅騎手をデータ注目騎手として推奨します。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。