【スーパーGT】2022年シーズン開幕、ポテンシャルを垣間見せたニッサン新型Zのデビュー戦

スーパーフォーミュラなどに続きスーパーGTも開幕(C) GTA

スーパー耐久スーパーフォーミュラに続き4月17日にはスーパーGTが開幕した。

国内モータースポーツでは最も人気の高いスーパーGTはレースそのものだけでなく、レースクイーンを目的に来場するファンもかなり多く、華やかさという面でも秀でている。ここ2年はコロナ禍の影響でピットウォークが実施されていなかったが、今季から入場数の制限がありながらも復活。好天に恵まれた開幕戦の舞台、岡山国際サーキットに、あの頃の熱気が戻った。

レースの方で今季最も注目されるのが、GT500クラスにニッサンが新たに投入する新型Z。ニッサンは長きに渡りGT-Rで戦っていたが、昨年はトヨタのスープラ、ホンダの新型NSXと比較し、ポテンシャル不足が明らかだった。特にストレートの伸びのなさが弱点として指摘され、新型Zはそのウィークポイントの改善を狙ったという。それが岡山のコースで有利かどうかは微妙なところだが、やはり今季を占う上で新型Zの戦闘力は図っておきたいところ。土曜日の走り出しから、4台の新型Zを追った。

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■新型Zは3位表彰台を獲得

最初の公式セッション、公式練習で新型Zは、いきなりトップリザルトをマークした。ニッサン勢のエースチーム、23号車ニスモZ松田次生/ロニー・クインタレッリ)だ。加えて今季からニスモのセカンドチームになった3号車NDDP Z千代勝正/高星明誠)も3位。最後の10分間に各マシンが行った予選アタックシミュレーションでの順位だったため、予選ではデビュー戦ポールの期待が膨らんだ。

しかし結果はなんと、肝心のニスモ2台がQ1落ち。新型Zの最高位はKONDO RACING佐々木大樹/平手晃平)の5位だった。その上にトップを含めスープラ勢が3台と、予選に関しては昨季開幕戦と勢力図はそう変わらなかった。

午前よりも気温が上がったせいなのか、はたまた今季ニッサンが新型Zを投入することで凍結されていた空力関連の開発が解禁になり、他の2メーカーのマシンはそれ以上にアップデートされているということなのか。ともかく国内3メーカーが威厳をかけて戦っているGT500クラスのシビアさを、改めて感じさせた予選だった。

予選後、ニスモ2台のドライバーに話を聞くと、いずれも「予選時よりも路面温度が上がると予想される決勝に向けたタイヤを選んだため、予選で若干タイムが落ちることはある程度覚悟の上。決勝で挽回を狙う」と、揃ったコメントだった。しかしながら舞台は岡山。ストレートが短くタイトなコースゆえ、スピード差があってもなかなかオーバーテイクは難しい。そのコメントを決して、鵜呑みにはできなかった。

ところが決勝ではコメント通り、9番手スタートの23号車が3位表彰台で14番手スタートの3号車が5位の大躍進。GT500クラスに関しては上位にマシントラブルや接触のアクシデントはなく、セーフティカーも出なかった。そんなカタいレースでこの結果は、素晴らしいと言うしかない。見る限り2台ともに、抜きたくても岡山のコースゆえ抜けないというシチュエーションが何度かあった。それでも82周の中で、着実に順位を上げていったのだ。

そのひとつの要因が、去年までのGT-Rと新型Zとの特性の違いということなのだろう。おそらくセッティングもストレート重視の、ハナからレースで抜いていくためのセッティングだったと思われる。そして、それを終始可能にしたのが、前日選んだ決勝に強いタイヤ。決勝後、逆に予選重視のタイヤで前のポジションからスタートし、抜かせないレースをした場合と、どちらが良い結果だったと思うかひとりのニスモドライバーに聞いたところ「それは分からない」という返答だった。しかしながらひとつ言えるのは、富士スピードウェイで行われる第2戦ではもっと強みが発揮されるだろうということ。

新型Zの初勝利は近そうだ。

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著者プロフィール

前田利幸(まえだとしゆき)●モータースポーツ・ライター

2002年初旬より国内外モータースポーツの取材を開始し、今年で20年目を迎える。日刊ゲンダイ他、多数のメディアに寄稿。単行本はフォーミュラ・ニッポン2005年王者のストーリーを描いた「ARRIVAL POINT(日刊現代出版)」他。現在はモータースポーツ以外に自転車レース、自転車プロダクトの取材・執筆も行う。


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