オークスへの優先出走権をかけたトライアルであるフローラSには、シンザン記念で1番人気の支持を受けたキタサンブラック産駒のラスールや前走のデイジー賞を勝利したルージュエヴァイユ、良血馬・ルージュスティリアなども参戦予定。
過去10年の人気別成績を見てみると、1番人気の【3-1-0-6】はやや物足りないが、1~5番人気は【9-6-5-30】と、上位人気で決着する傾向にある。しかし、2017年と21年の大波乱が馬連平均配当を押し上げて1万192円と、近年は難関なステップレースとなっている。
今回、フローラSの「危険な人気馬」として取り上げるのは、1番人気も予想されるラスールだ。
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■前走左回りに「勝率0%」の壁
新馬戦では単勝2.1倍と人気を集めたラスール。ゲートは後肢に体重がかかっているタイミングでスタートしたため、他馬より2馬身ほど離されたスタートだったが、すぐさま二の脚で先団に取り付き、インの4番手で競馬を進めた。少し力む面も見られたが、直線で逃げ馬をすんなり交わし、上がり最速34秒0で3馬身半差の勝利となった。
続く2戦目のシンザン記念でも1番人気の支持を受けたものの、懸念されていたゲートで出遅れてなし崩しに脚を使ってしまい7着に敗れてしまった。そして巻き返しを図るべく迎えた前走の3歳1勝クラス(東京芝1600m)では五分のスタートから先団に取り付き、直線で力強く抜け出して2馬身差の快勝となった。
キタサンブラック産駒という血統背景に加え、スピード能力、切れ味、エンジン性能はともに世代トップクラスで、今回もルメール騎手が継続騎乗ともなれば重賞初制覇の期待は膨らむ。しかし前走でもゲート難は改善されておらず、今回も出遅れる可能性があることに加え、2走前に先着を許したマテンロウオリオン、ソリタリオら上位陣が結果を出せておらず、レースレベルがそこまで高くなかった点も踏まえると、全幅の信頼を置けるような存在でもない。
さらに前走における競馬場別の成績を見てみると、
・東京競馬場【0-2-2-24】
・中京競馬場【0-0-0-4】
・阪神競馬場【4-2-3-35】
・中山競馬場【5-6-4-69】
このように有利に働くと思われていた前走左回りの馬が過去10年で未勝利という結果に終わっている。ラスールはここまで3戦とも左回りを使われているが、フローラSに関してはむしろ前走で右回りを経験した馬から買うべきなのだ。
また、前述にも記載しているが、過去10年で1番人気の【3-1-0-6】はやや物足りない結果で、先週の皐月賞で同じキタサンブラック産駒のイクイノックスが2着に好走したことにより、同産駒のラスールも必然的に上位人気に推されるだろう。しかし、勝率0%に該当してしまうデータからも人気と信頼度のバランスが取れていないということになる。
ここは馬券的な妙味も考え、人気一角のラスールを「消し」とする。今年のメンバー構成と、開幕週の東京芝2000mの傾向をイメージすれば、前走右回りのデイジー賞を勝利したルージュエヴァイユを中心に、ルージュスティリア、ホウオウバニラ、パーソナルハイ、エリカヴィータら、ある程度のポジションから競馬ができ、中山や阪神の急坂でも結果を残してきた馬を上位に評価したい。
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フローラステークス2022予想コラム一覧
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)