15日は東京競馬場で牝馬最強マイラーを決めるヴィクトリアマイル(GI、芝1600m)が行われます。
創設は2006年と数あるGIの中では新しいレースで、2015年にはGIで歴代最高となる3連単2000万馬券が記録されました。フタ桁人気馬の激走が目立つレースでもあり、穴馬&穴騎手には警戒が必要です。
今回は2006年以降の過去データを基に気になる騎手データを見ていきます。
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■松岡正海騎手、幸英明騎手に一発の可能性
騎手ごとに騎乗数の違いは見られますが、騎手によって得意・不得意がはっきり分かれるレースであることが見えてきます。
過去騎乗数は少なめですが、松岡正海騎手、幸英明騎手の両名は着順と人気のバランスに優れ、連対率も優秀な数値です。
松岡正海騎手は2007年に12番人気のコイウタを1着に導くと、以降の3鞍も人気以上の着順を確保していますね。戦法も先行、差し、追い込みと自在でひとつでも上の着順を目指して騎乗しているのかもしれません。
同騎手は前日15番人気のクリノプレミアム(牝5、美浦・伊藤伸一厩舎)に騎乗予定。重賞連続好走中ながら全く人気はありませんが、果たして人気以上の激走は見られるのでしょうか。
また、過去騎乗数こそ2鞍に限られるものの、ジュールポレールに跨り2017年3着(7人気)、2018年1着(8人気)と人気薄の馬で2年連続穴を開けたのが幸英明騎手です。牝馬GIで活躍の目立つ騎手で、ここでも強さを発揮できているようです。
その幸英明騎手が跨るのが昨年のエリザベス女王杯優勝馬で前日9番人気のアカイイト(牝5、栗東・中竹和也厩舎)。初のマイルが嫌われている印象ですが、同騎手が跨りかつヴィクトリアマイルに参戦してきた以上絶対に軽視はできません。
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■C.ルメール騎手は人気次第か
続いて連対率(勝率)50%と高い数値を誇るC.ルメール騎手について見ていきましょう。
一昨年のアーモンドアイ(1人気1着)、昨年のグランアレグリア(1人気1着)は力が抜けていましたが、2017年には6番人気のアドマイヤリードを優勝に導いていて、人気薄でも注意が必要な騎手です。他3鞍の結果を見てもほぼ人気通りの結果を残せていますから、当日の人気が重要かもしれませんね。
同騎手は前日5番人気のファインルージュ(牝4、美浦・木村哲也厩舎)に騎乗予定。当日3番人気以内に推されるようならマークしてみてください。
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■池添謙一騎手、M.デムーロ騎手は過信禁物
最後に背負う人気と比べると着順の落ち込みが目立つ池添謙一騎手、M.デムーロ騎手について見ていきましょう。
GIで勝負強い騎乗が見られる池添謙一騎手ですが、2016年のショウナンパンドラ(2人気)で3着があるものの、07年のスイープトウショウ(2人気9着)、13年のサウンドオブハート(3人気14着)のように人気馬で大きく崩れるケースが見られました。また、M.デムーロ騎手は2018年のアドマイヤリード(2人気8着)をはじめ、2016年以降に騎乗した6鞍で人気以下の着順に終わっています。このレースを苦手としているのかもしれませんね。
なお、池添謙一騎手は前日4番人気のソングライン(牝4、美浦・林徹厩舎)、M.デムーロ騎手は前日14番人気のミスニューヨーク(牝5、栗東・杉山晴紀厩舎)に騎乗予定。とりわけソングラインは上位人気の1頭ですから、慎重に判断する必要がありそうです。
以上、ヴィクトリアマイルの気になる騎手データでした。今回はデータ注目騎手として松岡正海騎手、幸英明騎手の2名を推奨します。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。