【MLB】菊池雄星、復調の背景にスライダーの高速化とコーチの言葉 古巣相手に“モデルチェンジ”で快投

ブルージェイズ・菊池雄星(C)Getty Images

トロント・ブルージェイズ菊池雄星が16日(日本時間17日)、昨季まで3年間プレーした古巣シアトル・マリナーズ相手に先発。6回を被安打1、無失点に抑える好投を見せ、今季2勝目を挙げた。菊池は4日(同5日)、本拠地でのニューヨーク・ヤンキース戦で今季初勝利を挙げると、10日(同11日)に行われた敵地での同カードでも好投したが、後続が打たれて勝ち星が付かなかった。2勝目を挙げたこの日を含めて3試合連続で安定した投球を披露しており、4月の不調から完全に脱したようだ。

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■5月に入り防御率が改善

菊池は2019年から3年間マリナーズでプレー。古巣との初対戦となったこの日、初回に四球で走者を出したものの、その後は11人連続でアウトを奪い、4回まで無安打投球を続けた。唯一のピンチは5回。先頭のウインカーに二塁打を打たれ、ついに初安打を許した。さらに1死後に四球を与えて一、二塁となったが、後続を空振り三振、左飛に打ち取り、切り抜けた。

菊池は結局、6回を90球、1安打無失点(6奪三振、3与四球)にまとめて今季2勝目をマーク。防御率は3.38となった。4月は4登板で防御率5.52だったが、5月は17回1/3で防御率1.56。許した安打はわずか6本で、3失点と急速に改善している。

MLB公式サイトは菊池の投球内容を分析。本人のコメントも交えて、不調から脱出した理由を探っている。同サイトはまず、投球スタイルの変化に注目し、スライダーの進化を指摘した。これまで、菊池の得意な球と言えばカットボールだったが、現在はカットの代わりにスライダーを重視。記事は「マリナーズ戦ではスライダーが平均87.8マイル(約141キロ)を記録した。2021年は82.5マイル(約133キロ)だったから、大幅な速度アップだ」とした。

菊池によると、ピート・ウォーカー投手コーチには早い段階から「スライダーを80マイル台後半まで上げるよう勧められていた」という。当初は「難しいと感じていた」ものの、その後、同コーチから「“もっと重いカッター”のように投げてみたらどうか」とアドバイスを受け、開眼。「とても気持ちが良かった。投げるたびに、より快適に感じるようになった」そうで、ついに高速スライダーをマスターすることに成功した。

■「すぐに結果を求めない」

さらに同コーチはスライダーに加え、速球の使い方も伝授。菊池が「自信を持てなかった」という速球について、「もっと使うように」と指導を受けたという。記事は「平均95マイル(約153キロ)、最大97マイル(約156キロ)に達する右投手は特筆すべき存在ではないものの、左腕でそれだけの球を投げる先発は滅多にいない。キクチの速球の平均速球は、MLB左腕先発投手の中で6位にランクされており、結果を出し続ける中で、ますます投げたい球になってきているようだ」とした。

モデルチェンジを恐れなかった背景には、ウォーカー投手コーチの「すぐには結果を求めない」という言葉もあった。菊池は「それは私にとって本当に重要なことでしたし、納得できた大きな理由です」と話したという。同コーチは長いシーズンを見据えた上で助言を行っており、チームも一昼夜で変わることはないということを認識していた。菊池は「コーチからそういう説明を聞いただけでも、僕にとっては大きなことだった」と振り返り、時間に縛られず成長を促してくれたチームに感謝した。

ピッチングニンジャこと投球分析家、ロブ・フリードマン氏も菊池の投球動画とともに「えげつない88マイル(約142キロ)のスライダー」「97マイル(約156キロ)、そしてグッバイ(三振)」と2回投稿した。

速球とスライダーを武器に変貌を遂げた菊池。MLB公式サイトの見出しは「居心地の良い場所の果てに、キクチは成功を見出す」。自身の成長のために、苦痛を覚悟でモデルチェンジに挑んだ姿を表現していた。

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文・SPREAD編集部


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