22日は東京競馬場で牝馬三冠の第2弾となるオークス(GI、芝2400m)が行われます。
創設当初は阪神競馬場(旧・鳴尾競馬場)で行われていましたが、1946年以降は一貫して東京2400mが舞台です。今回は2000年以降の過去データを基に気になる騎手データを見ていきます。
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目次
■川田将雅騎手は人気馬で勝負強い
今年のオークスに騎乗する騎手の中で2000年以降騎乗経験があるのは15名。各騎手の騎手データは次の通りです。
今年のオークスは過去のオークスで好走経験のある騎手が多数参戦してきたことで、連対率20%以上の数値を残す騎手が7名もいます。数人の騎手しかチャンスがないGIではなく、どの騎手にもチャンスがあるGIと言えるかもしれません。
連対率20%以上の数値を残す騎手の中で、着順と人気のバランスも優秀なのが川田将雅騎手です。2012年のジェンティルドンナ(3人気1着)、14年のハープスター(1人気2着)、18年のリリーノーブル(4人気2着)と3度の連対があり、穴馬を馬券圏内に導くタイプではありませんが【川田将雅騎手】×【当日4番人気以内】の組み合わせは集計期間内だと【1-2-0-1】連対率75%と熱いデータが見つかります。
同騎手が今年のオークスで跨るのが前日2番人気に推されたアートハウス(栗東・中内田充正厩舎)。この人気が当日も続くようなら堅軸として考えて良さそうです。
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■戸崎圭太騎手も人気次第で狙える
そして川田将雅騎手と同等の数値を誇るのが戸崎圭太騎手です。1着こそありませんが、2013年のエバーブロッサム(3人気)、15年のルージュバック(1人気)、16年のチェッキーノ(2人気)で3回の2着があります。ただし、全成績で見ると複勝回収率61%と高くはありませんから、できればピンポイント狙いしたいところ。
戸崎圭太騎手は川田将雅騎手と同様に人気とセットで考えるといいようで【戸崎圭太騎手】×【当日5番人気以内】の組み合わせは集計期間内【0-3-0-2】と連対率が60%にまで上昇。この組み合わせであれば複勝回収率も110%ですから買えると判断できます。
なお、同騎手は今年のオークスで前日8番人気のプレサージュリフト(美浦・木村哲也厩舎)に騎乗予定。当日5番人気以内に推されるようなら押さえる価値はありそうです。
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■武豊騎手はオークスで不振
次にオークスで人気馬に跨る機会が多かった武豊騎手について見ていきましょう。同騎手は2005年のエアメサイア(2人気)で2着こそあるものの、集計期間内は03年のアドマイヤグルーヴ(1人気7着)、04年のダンスインザムード(1人気5着)、06年のアドマイヤキッス(1番人気4着)と人気馬で圏外に敗れています。
2006年以降は1度も3着以内がないことからオークスを苦手としているかもしれません。
同騎手は前日6番人気のウォーターナビレラ(栗東・武幸四郎厩舎)に騎乗予定ですが、データ上は強く推すことができません。
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■C.ルメール騎手は2番人気以内なら
最後に最も高い連対率50%を誇るC.ルメール騎手について見ていきましょう。
2017年のソウルスターリング(1人気1着)、18年のアーモンドアイ(1人気1着)と2度の優勝経験がある同騎手ですが、16年のエンジェルフェイス(3人気10着)、20年のサンクテュエール(5人気13着)の成績が響き、人気と比べると着順の大きな落ち込みが見られます。2番人気以内であれば【2-1-0-0】ですから確実な人気馬に跨る時だけ狙いたいですね。
さて、そんなC.ルメール騎手ですが、オークスでは前日3番人気の桜花賞馬スターズオンアース(美浦・高柳瑞樹厩舎)に騎乗予定。2番人気と3番人気以下で天と地ほどの差がありますので、当日のオッズは要チェックと言えます。
以上、オークスの気になる騎手データでした。今回はデータ注目騎手として川田将雅騎手を推奨します。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。