ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は3日(日本時間4日)、敵地でのフィラデルフィア・フィリーズ戦に「2番DH」で出場し、3打数無安打に終わった。エンゼルスはフィリーズ打線に5本のアーチを許し、0-10で大敗。6年ぶりの9連敗を喫して、貯金もいよいよ「1」となった。
序盤から見せ場を作れなかったエンゼルスに対してはファンのみならず、現地メディアの番記者たちも「“順調”だ、9連敗に向けて」といった嘆きのコメントや、試合中にも関わらず愛犬の写真をSNSに投稿するなど“失望”の様子を隠そうとしなかった。
◆【実際の画像】これが敵地の洗礼か……大谷翔平も思わず不満顔を浮かべた「広すぎるストライクゾーン」がチャート図で明らかに
■“崩壊寸前”のフィリーズが投打で圧倒
今カードは、エンゼルス主砲でMVPを3度獲得したマイク・トラウトの8年ぶりの故郷凱旋や、昨季のリーグMVPである大谷とブライス・ハーパーの初顔合わせといった話題に加えて、試合当日朝にはフィリーズのジョー・ジラルディ監督の電撃解任が発表されるなど、現地でも多くの注目を集めるものであった。
敵地に乗り込んだエンゼルスの地元報道陣も意気揚々と試合前の取材を行っていた。MLB公式サイトはフィラデルフィア近郊のニュージャージー州ミルビル出身であるトラウトの8年ぶり地元凱旋に注目し、「“マイク・フロム・ミルビル”が、笑顔でフィラデルフィアに帰還」と、今試合を楽しみにするトラウトの様子を紹介。現地中継では、敵地ながらトラウトのユニフォームを着たファンも映し出されていた。
また、地元放送局「バリー・スポーツ・ウエスト」で解説を務め、日本でもおなじみのマーク・グビザ氏もフィラデルフィア出身ということで、ご機嫌な様子で試合実況に臨んでいた。
しかし、試合はフィリーズの一方的な展開に。カイル・シュワーバーとハーパーのマルチ本塁打や、ブライソン・ストットのメジャー初本塁打など、5本塁打で6回までに大量10得点。投げては先発ザック・エルフィンが8回5安打無失点の快投で今季2勝目を挙げた。試合前に監督が解任されるなど“崩壊寸前”のフィリーズが完勝した反面、エンゼルスは大谷とトラウトがともにノーヒットに終わるなど打線に元気がなく、これで泥沼の9連敗となった。
■番記者たちもさじを投げた一方的な展開
一方的な試合展開を受けて、普段ならTwitterで試合を速報するエンゼルス番記者陣も意気消沈。米メディア「ジ・アスレチック」のブレント・マグワイア記者は、「エンゼルスは“順調”だ、9連敗に向けて」と呆れ気味にツイート。地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」のジェフ・フレッチャー記者は「(このツイートは故意に空白になっています)」と絶句。挙げ句の果てに、フレッチャー記者は試合展開とまったく関係のない愛犬の画像を投稿し、“現実逃避”する始末だった。
連敗を止めることができないエンゼルスについて「オレンジ・カウンティ・レジスター」は試合後速報で、「現在メジャーで最もひどいチームを決める決戦は、エンゼルスが上に立った。いや、下か」と表現した。
しかし、エンゼルスの不幸はこれだけでは終わらない。負傷から復帰したばかりのテイラー・ウォードが、7回の守備で右ハムストリングを痛め途中交代。苦しい状況が続くジョー・マドン監督も試合後は「見るに堪えない。彼ら(選手)にとっても辛い状況だ」と肩を落としたが、「(この状況を変えるには)前に進み続け、抜け出していくだけ」と気丈に語った。投手陣の崩壊と打撃の沈黙が続くエンゼルスだが、まずはなんとか連敗を止めたいものだ。
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文・澤 良憲(Yoshi Sawa)