【MLB】大谷翔平は必死のアピールで奮闘も…痛恨10連敗にマドン監督「誰に腹を立てればいい?」

 

【MLB】大谷翔平は必死のアピールで奮闘も…痛恨10連敗にマドン監督「誰に腹を立てればいい?」
エンゼルス・大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平は4日(日本時間5日)、敵地でのフィラデルフィア・フィリーズ戦に「2番DH」で先発出場。2打数1安打1得点2四球と奮闘するも、チームは2-7で敗れ6年ぶりの10連敗。最大で「11」あった貯金もついに「0」となった。

出口の見えない大型連敗に苦しむエンゼルスだが、試合後にはジョー・マドン監督も「私は誰に腹を立てればいい?」と苛立ちを隠さなかった。米地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」が報じている。

◆【実際の映像】一時アウトの判定も大谷翔平が手を上げて猛アピール、全力疾走でもぎとった3試合ぶりの安打

■トラウトは自身ワーストのスランプ

この日もスタメンに名を連ねた大谷は、昨季14勝を挙げ最多奪三振のタイトルを獲得した右腕ザック・ウィーラーと対戦。第1打席では三塁方向へのゴロに打ち取られ一時はアウトと判定されるも、全力疾走した大谷は必死にアピール。チャレンジの結果、判定はセーフに覆り3試合ぶりの安打を記録した。その後、第2、第3打席はともに四球で3打席連続出塁をマークした。

しかし、エンゼルスは連敗中の悪いムードを払拭できない。先発マイケル・ローレンゼンが初回から4安打4四球を許す大乱調。送球エラーも絡みいきなり5点のリードを奪われ、試合のペースを失った。低迷するチーム同様に、主軸マイク・トラウトは今日の試合も4打数無安打3三振。これで23打数無安打とキャリアワーストのスランプに苦しんでいる。

東海岸遠征が始まった5月31日(同6月1日)からの5試合で、エンゼルスはわずか5得点。同期間で34失点の“投手陣崩壊”も深刻だが、それを跳ね返しカバーする力が今の打線にはない。

「オレンジ・カウンティ・レジスター」は試合後、トラウトの「抜け出す方法を考えなければならないが、探しすぎている」というコメントを紹介。「昨日は2回ヒットになりそうな当たりもあった。もう少しボールを見なければならない」と、もがき苦しむ様子を伝えた。マドン監督も「私は誰に腹を立てればいい?」とついにその苛立ちを露わにしているという。「努力が足りてないわけではない。私がイライラしているのはそれが理由だ」と話すも、「打てていない」と打撃陣に苦言を呈した。

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■苦しむエンゼルスに現地メディアも危機感

本来の姿とは程遠い不調が続く大谷とトラウトに、現地メディアも危機感を持つようになった。米スポーツメディア「クラッチ・ポイント」は4日、「オオタニとトラウトは球界最高のスターでもあり、MLB最大の問題でもある」と題した記事を掲載している。

記事ではMLB公式サイトが選出した「MLBトップ100選手」で1位、2位に名を連ねた大谷とトラウトについて「MLBがもっとも売り込みたい選手達である」と紹介する一方で、「連敗が続くチームのスター選手を売り込むのは容易ではない」と指摘。NBAのレブロン・ジェームズやステファン・カリー、NFLのトム・ブレイディなど他競技のビッグネームを引き合いに、「MLBも優勝チームの選手を売り込む必要がある」と提言するも、「オオタニとトラウトの才能や人気を考えると、彼らを売り込む必要があるのでMLBもエンゼルスを応援しているだろう」と推察した。

開幕ダッシュに成功し今年こそはポストシーズン進出とも言われたエンゼルスだが、シーズン54試合目にして早くも正念場を迎えた。この連敗を脱出するためには、やはり大谷とトラウトの豪快な一発がどうしても必要だ。

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文・澤 良憲(Yoshi Sawa)