■シゲルピンクルビー
【中間調整】しばらく勝ち切れないレースが続いていたが、前走の鞍馬Sで14カ月ぶりの勝利を挙げた。これが芝1200m戦での初勝利だったが好時計での完勝だったし、それまでの短距離重賞で差のない競馬ができていたことを含めて考えれば、適性はやはりスプリントにありそう。前走後は昨年9着だった函館スプリントSへ、2度目の挑戦が決定。短期放牧を挟んで5月22日に栗東へ戻り、24日に初時計として厩舎実習中の河原田騎手候補生を背に坂路14-14を消化している。ここではラスト2F12秒4-14秒8(馬なり)と急減速ラップに終わっていたが、道中で乗り役が持って行かれたのかも。馬に活気があるゆえのご愛敬レベルだろう。28日は渡辺師が騎乗しラスト2F12秒9-11秒6(馬なり)と惚れ惚れするようなラップ構成でまとめたあたりは、さすが元騎手といったところ。輸送前の1週前追いも渡辺師が騎乗し、疲れを残さないようラスト2F13秒4-12秒6(馬なり)と絶妙な時計で終えている。
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【最終追い切り】主戦・和田竜騎手が騎乗し、函館芝コースで併せ馬。序盤から前向きな雰囲気を出し、目標にした3歳未勝利を直線入口であっさり抜き去る。そこで抜け出してもフワッとせず、集中して鋭く脚を伸ばした動きは秀逸。結局5馬身の先着を果たしている。
【見解】当初からこのレースを見据えていたような、狂いのない調整過程。馬の動きも前走が比較的楽な勝利だったことで反動はなく、しっかり上積みだけ獲得できているような鋭さ、メリハリがある。最終追いで抜け出しても集中力を保てていたあたり、目下走ることへのモチベーションがかなり高そう。2番人気9着に終わった昨年から一変の走りに期待したい。
総合評価「A」
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西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。