元RIZINライトヘビー級王者のイリー・プロハースカ(チェコ)は12日、シンガポールで行われた「UFC 275」でUFC世界ライトヘビー級王者グローバー・テイシェイラ(ブラジル)とタイトルマッチを行い、見事一本勝ち(第5ラウンド4分32秒、リアネイキドチョーク)でタイトル奪取を果たした。
◆【実際の映像】プロハースカが老練王者の一瞬のスキを見逃さず大逆転 リアネイキドチョークで王座奪取が決まった決定的瞬間
■「次回はもっといい戦いを見せたい」
プロハースカは2019年4月「RIZIN.15」でキング・モーを下し、RIZINライトヘビー級の初代王座に就き、19年12月「RIZIN.20」ではUFCファイターのCB・ダラウェイを破って初防衛に成功。UFC参戦後もKOで2連勝を飾り、3戦目で念願のタイトルマッチを迎えた。
第1ラウンドが始まると、右のジャブを繰り出すプロハースカに対して、テイシェイラはキックで応戦。開始1分が経過すると、グラウンドに自信のあるテイシェイラがプロハースカの足をとりテイクダウン。42歳のベテラン王者は巧みに一本を狙うが、プロハースカもなんとか立ち上がる。しかし、再びマウントを奪ったテイシェイラが強烈なパウンドをお見舞い。ラウンド終了間際にはプロハースカも強打を披露し意地を見せた。
第2ラウンドは一転してプロハースカが長いリーチを生かした打撃でペースをつかむ。強烈なパンチにアッパーや膝蹴りなどを交えた攻撃にテイシェイラが怯む場面も。しかし、勢いに乗ったプロハースカが一瞬体勢を崩すと、テイシェイラが組み付きマウントから強烈なエルボーの連打。プロハースカは額をカットし流血。打撃の挑戦者、グラウンドの王者という構図になった。
一進一退の攻防の末に第3ラウンドに突入。徐々に疲れが見られるテイシェイラは強烈な打撃を受けながらも何とか組み付くが、体勢を維持しきれず、逆にプロハースカにマウントを許し防戦一方の展開。しかし、右目付近から出血しながらも体勢を入れ替え執念の攻撃。タイトルマッチに相応しい激しい展開が続く。
第4ラウンドはテイシェイラが左フックで挑戦者をグラつかせると、またもテイクダウンを奪い有利な状況に持ち込む。そのまま肩固めを狙うが、ここはプロハースカが何とか粘りを見せる。攻守が目まぐるしく入れ替わるグラウンドの展開が続き、勝負は最終ラウンドへ。
ここに来て疲れが目立つプロハースカはテイシェイラの右ストレートをまともに食らうなど苦しい展開。無尽蔵のスタミナで王者がプレッシャーをかける展開が増えていく。残り1分で再びグラウンドの攻防となると、ここでまさかの展開に。プロハースカは相手の一瞬のスキを見逃さずリアネイキドチョークを仕掛けると、ここでテイシェイラがたまらずタップし、大逆転でのタイトル奪取を成し遂げた。壮絶な死闘を終えた両者は健闘を称え合った。
激戦を終えたプロハースカは「次回はもっといい戦いを見せたい。どんなテクニックも関係ない。まさに真の戦いだった。素晴らしい試合だった」と語った。
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文・SPREAD編集部