【宝塚記念/騎手データ】明暗分かれる人気騎手 狙うべき熱いパターンに合致するジョッキーとは

 

【宝塚記念/騎手データ】明暗分かれる人気騎手 狙うべき熱いパターンに合致するジョッキーとは

26日は阪神競馬場で上半期の総決算となる宝塚記念(GI、芝2200m)が行われます。梅雨時期のタフな馬場で行われることが多いGIですが、2019年から昨年にかけて牝馬が3連勝中です。

今回は阪神コース改修後となる2007年以降の宝塚記念過去データと、2007年以降の阪神芝2200mデータを基に気になる騎手データを見ていきます。

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■GI過去データから判断すると

今年の宝塚記念に騎乗する騎手の中で2007年以降に騎乗経験があるのは14名。各騎手の騎手データは次の通りです。

[2007年以降]宝塚記念の騎手別成績

思わず「うーん」と唸るようなデータが算出されてしまいましたね。2007年以降の宝塚記念で良績を残す池添謙一騎手、内田博幸騎手が今回は不在。

さらに前日1番人気のエフフォーリア(牡4、美浦・鹿戸雄一厩舎)に跨る横山武史騎手は本GIの騎乗経験がなく、前日2番人気のタイトルホルダー(牡4、美浦・栗田徹厩舎)に騎乗する横山和生騎手も過去の騎乗経験は1度だけ。飛車角落ちを超えて、香車、桂馬も欠くようなデータと言えます。それだけに騎乗数が少ない騎手は、GI過去データだけで判断するより、阪神芝2200mの成績も交えて総合的に判断する方がいいでしょう。

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ここでは、GI過去データからはある程度の騎乗数があり人気馬に跨る機会が多いM.デムーロ騎手、C.ルメール騎手の2名を取り上げます。

人気と比べると着順の落ち込みが見られるM.デムーロ騎手ですが、これは2015年のワンアンドオンリー(4人気11着)、18年のキセキ(2人気8着)の結果が尾を引いていますね。17年のサトノクラウン(3人気1着)、19年のスワーヴリチャード(6人気3着)のような勝負強い騎乗も見られます。

ただし、今年騎乗を予定するのは前日15番人気のマイネルファンロン(牡7、美浦・手塚貴久厩舎)。さすがに大激走は厳しいかもしれません。

一方、GI過去データからはっきり不振と判断できるのがC.ルメール騎手です。昨年のクロノジェネシスこそ勝利に導きましたが、2015年から20年にかけて全て人気以下の着順に敗れているのは見逃せません。18年のサトノダイヤモンド(1人気6着)、20年のサートゥルナーリア(1人気4着)らのように人気を背負い4着以下に敗れるケースがほとんどです。

同騎手は前日7番人気のオーソリティ(牡5、美浦・木村哲也厩舎)に騎乗予定ですが、人気以上の好走があるかはかなり微妙です。

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■阪神芝2200m成績から3名

ここからは阪神芝2200mのデータを見ていきましょう。

[2007年以降]阪神芝2200mの騎手別成績

今年の宝塚記念で人気馬に跨る横山和生騎手、松山弘平騎手、和田竜二騎手、横山武史騎手は阪神芝2200mの成績も含めて判断していきます。

まずタイトルホルダーに跨る横山和生騎手ですが、この舞台の騎乗数こそ4鞍どまりとなるものの、着順と人気のバランスに優れ、一昨年の宝塚記念では14番人気のトーセンスーリヤを7着に導いていたことも確認できます。サンプル数に欠ける面は否定できないものの、少ない騎乗数で結果を出せていると判断すべきかもしれませんね。

続いて松山弘平騎手。勝率が2.9%と低めですが、ほぼ人気通りの着順が見込めますね。また【阪神芝2200m】×【松山弘平騎手】×【当日5番人気以内】×【牝馬】の組み合わせは【0-3-0-2】で連対率60%にまで達するデータが見つかります。

奇しくも同騎手が跨るのが前日4番人気かつ牝馬のデアリングタクト(牝5、栗東・杉山晴紀厩舎)。頭まではどうかも当日もこの人気が続くようなら馬連や3連複の軸として考えてみてください。

さらに前日3番人気のディープボンド(牡5、栗東・大久保龍志厩舎)に騎乗予定の和田竜二騎手。データからは松山弘平騎手と同様にほぼほぼ人気通りの着順が見込めますが、色々な項目と組み合わせても大きな数値上昇は見られず強調材料に欠けるかもしれません。

そしてエフフォーリアに跨る横山武史騎手ですが、この舞台で3番人気以内の人気馬に跨った機会は昨年のエリザベス女王杯1度だけです。そのレースでは3番人気のウインマリリンで16着に敗れているのは気になりますね。横山和生騎手と同様にサンプル数が足りないと言えばそれまでですが、過去のレース騎乗経験がなく、阪神芝2200mでも良績がない以上、データから推すことはできません。

最後に阪神芝2200mで集計期間内38.8%と高い連対率を記録する武豊騎手のデータも見ていきましょう。同騎手は川田騎手に次ぐ勝ち星をマークし、集計期間内10鞍以上の騎乗がある中ではトップの連対率を誇ります。

牝馬騎乗時は【2-0-2-6】連対率20%とパフォーマンスが落ちるものの【阪神芝2200m】×【武豊騎手】×【牡馬・セン馬】の組み合わせは【17-14-5-39】連対率41.3%と数値がさらに上昇。また宝塚記念では2007年のポップロック(4人気3着)、14年のヒットザターゲット(12人気4着)、20年のキセキ(6人気2着)ら人気以上の好走が見られたことから、勝ち切れないまでも押さえておくべき騎手でしょう。

同騎手は今年の宝塚記念で前日8番人気のアリーヴォ(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)に騎乗予定。熱いパターンに合致する以上、穴の資格は十分にありそうです。

以上、宝塚記念の気になる騎手データでした。今回はデータ注目騎手として横山和生騎手、松山弘平騎手、武豊騎手の3騎手を推奨します。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。