メジャーリーグ・ベースボールは2日(日本時間3日)、トレードデッドラインを迎え、昨年のオールスターで大谷翔平とホームランダービーを争ったワシントン・ナショナルズのファン・ソトがサンディエゴ・パドレスに電撃トレードされるなど移籍市場はかまびしい活況を見せた。
◆「ヒリヒリするような9月」を望んでいた大谷翔平の願い叶わず トレード市場で売り手に回ったエンゼルス、早くも消化試合突入か
■先発ローテの要も守護神も放出
ロサンゼルス・エンゼルスもその例外とはならなかった。
市場の目玉のひとりと目された大谷こそ残留したものの、まずはこの日、オークランド・アスレチックス戦で先発予定だったノア・シンダーガードがフィラデルフィア・フィリーズへと電撃移籍。代わりに2016年の全体1位ミッキー・モニアック、ジャディエル・サンチェスの両外野手を獲得した。シンダーガードは2015年にニューヨーク・メッツでメジャーデビュー、3度の2桁勝利を挙げ、今季からエンゼルスに。今季はこれまで15試合に登板し、防御率3.83ながらチームの不調にも足を引っ張られ5勝8敗と負け越していた。
また、守護神ライセル・イグレシアスはアトランタ・ブレーブスへ放出。代わってベテラン、ジェシー・チャベス、左のタッカー・デビッドソン両投手を獲得した。イグレシアスは2015年、シンシナティ・レッズからメジャー・デビュー。昨季よりエンゼルスに移籍し34セーブを挙げたが、今季はセーブ失敗も多く、2勝6敗16セーブで防御率は4.04とエンゼルスのブルペン投壊の一因となっていた。
さらに大谷の僚友、若手のホープと見込まれていたブランドン・マーシュを同じくフィリーズへトレード。代わってマイナー・リーグで15本塁打、長打が売りのキャッチャー、ローガン・オーハッピーを獲得した。
エンゼルスはこれで大谷と並ぶ先発ローテーション投手に加え、昨季FAの引き止めに成功した守護神、マイク・トラウト不在時にセンターをカバーして来た若手を放出。大谷の望む勝てるチームへと再建なるのか。プレーオフ進出を逃すとなると、今オフに大谷の去就問題が再燃するのは間違いない。
◆大谷翔平のトレードが実現しなかった理由 「エンゼルスの要求が高過ぎたか」米メディア解説
◆「ヒリヒリするような9月」を望んでいた大谷翔平の願い叶わず トレード市場で売り手に回ったエンゼルス、早くも消化試合突入か
◆「勝ち組」はファン・ソト獲得のパドレス 大谷翔平断念のヤンキースも合格点 「負け組」にはメッツの名前も トレード総括
文●SPREAD編集部