今週は札幌競馬場でキーンランドC(芝1200m)が行われる。
終盤にさしかかったサマースプリントシリーズ第5戦に組み込まれる一戦。やや手薄な印象もあるスプリント戦線のニューカマー誕生にも期待がかかる、秋のスプリント戦線を占ううえで重要なレースと言えるだろう。
過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに、有力馬と穴馬候補を紐解いていく。
◆【キーンランドカップ2022予想/追い切り診断】実績十分な重賞馬に低評価「B」 「人気ほどの信頼は置きづらい」
■ヴァトレニには「馬券内率100%」が該当
前走・青函Sでは初のスプリント戦を勝利。連勝の勢いをもって臨むのがヴァトレニだ。3勝クラスで苦戦を強いられていたのがウソかのようなパフォーマンス。重賞のメンバー相手でも真価を発揮できるのか?その鍵となるのは以下のデータ。
・洋芝での成績【4-0-0-0】
連対率に換算すると100%。勝率という項目で限定しても函館・札幌の洋芝ではいまだ負け知らずなのだ。前走負かしたジュビリーヘッドは函館スプリントS2着馬。その比較から、重賞の舞台であっても得意の洋芝なら軽くは扱えない。
◆【キーンランドカップ2022予想/危険な人気馬】人気一角の上がり馬は“消し”評価 前走は「最も恵まれた」
■ロードマックスの追い風は「馬券内率80%」
2歳時から重賞戦線で活躍していたが、2勝目は今年の4月。その後1600-1800mで凡走を重ねたのち、初のスプリント戦で激変をはたしたのがロードマックスだ。一連の戦績が示すとおり掴みどころのない馬だが、スプリント戦は今回が2度目。名だたるスペシャリスト相手では簡単にいかない印象もあるが、追い風となる本レースのデータをご紹介したい。
・前走洋芝で上がり3F最速勝利【1-2-1-1】
馬券内率に換算すると80%。このなかにはストレイトガールなどの人気馬だけではなく8人気1着ウキヨノカゼも該当しており、信頼度の高さがうかがえるというものだ。前残り決着を直線一気の脚で突き抜けた前走内容は圧巻。その再現があっても驚けない。
▼その他、データ予想
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◆【騎手データ】妙味満載の3騎手に注目も 軸は重賞7連続馬券圏内の好調騎手
キーンランドカップ2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【追い切り診断】気配は絶好な人気一角に「S」評価 「体をしなやかに使えていた」
◆【追い切り診断】実績十分な重賞馬に低評価「B」 「人気ほどの信頼は置きづらい」
◆【追い切り診断】好調を維持している人気馬に高評価「A」 「狙った通りの仕上がりで走れる」
◆【追い切り診断】好走続く上位人気に「A」評価 「調整ペースが緩いのが気になるが…」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】前走惨敗で“人気落ち”の妙味 「戦略に幅が出てきた」
◆【穴馬アナライズVol.2】想定“10人気”前後の刺客 「名誉挽回の走りで波乱を巻き起こす」
◆【穴馬アナライズVol.3】洋芝巧者が前走“余裕の勝利” 「前走より条件はさらに良くなっている」
◆【危険な人気馬】人気一角の上がり馬は“消し”評価 前走は「最も恵まれた」
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】上位人気想定馬2頭が“勝率0%”の鬼門に 昨年の覇者レイハリアは8枠15番
◆【血統傾向】前走敗戦で“人気落ち”の妙味 距離短縮ローテで単回収値「192」の血
◆【前走ローテ】レイハリアの連覇に警鐘、好走組に試練のデータ
◆【動画プレーバック/キーンランドカップ2021】4連勝で3歳牝馬のレイハリアが重賞2連勝を飾る
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「2022キーンランドカップ-全頭分析編」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。