【キーンランドC/危険な人気馬】人気一角の上がり馬は“消し”評価 前走は「最も恵まれた」

8月28日、札幌競馬場で第17回・キーンランドC(GIII、芝1200m)が行われる。

出走予定馬を見てみると、前走の葵Sを快勝した3歳馬ウインマーベルを筆頭に、昨年の覇者レイハリアや、アイビスSDを鮮やかな末脚で差し切り勝ちしたビリーバー、一昨年の覇者で昨年2着のエイティーンガールや前走の福島テレビOPでオープン初勝利を挙げたオパールシャルムも参戦する。

中穴の6~9番人気も7頭馬券になるなど好走が目立っており、2015年のウキヨノカゼが8番人気から勝利している。また、2021年のエイティーンガールや20年のディメンシオン、18年のペイシャフェリシタなど牝馬の好走が多く注意したほうがいいだろう。

◆【キーンランドカップ2022予想/データ攻略-後編】前走惨敗で“人気落ち”の妙味 勝率3割超えでも「勝ち切る候補」とは

【キーンランドC/データ攻略-後編】前走惨敗で“人気落ち”の妙味 勝率3割超えでも「勝ち切る候補」とは

今回、キーンランドCの「危険な人気馬」として取り上げるのは、前走の葵Sを快勝した3歳馬ウインマーベルだ。

■昨年もスプリント界は3歳馬の独壇場だったが…

3歳馬のウインマーベル(牡3、美浦・深山雅史厩舎)は今回が古馬との初対戦。勝ち上がりに6戦を要したものの、勝ち上がった次走の福島2歳Sで勝利するなど早くから才能の片鱗を見せた。年明け初戦のファルコンSは15着に大敗したが、次走のリステッド競走である橘Sをレコードに0秒1差の好タイムで勝利。続く葵Sでは道中8番手から抜群の手ごたえで直線を迎えると、そのまま力強く差し切り2馬身半をつける完勝。2連勝で重賞初制覇を収めた。1200m戦は7戦3勝2着1回と滅法得意としており、古馬が相手でも前走の内容なら十分通用するだろう。

しかし、今回不安材料が2点ある。それは、「前走のレベルの低さ」と「同型の存在」だ。

まずは「前走のレベルの低さ」について述べる。前走・葵Sを走った馬で掲示板内に好走した馬の次走以降の成績を見てみると、

・葵S 出走馬
└1着【ウインマーベル】
 →次走「キーンランドC」予定
└2着【コムストックロード】
 →次走「パラダイスS(6人気)4着」、2走目「福島テレビOP(1人気)4着」
└3着【ブレスレスリー】
 →次走「雲仙特別(1人気)2着」、2走目「耶馬渓特別(2人気)3着」
└4着【ウインモナーク】
 →次走未定
└5着【カイカノキセキ】
 →次走「恵那特別(1人気)10着」、2走目「雲仙特別(3人気)7着」

このように、前走で下した2~5着馬は次走未出走馬を含めても勝利した馬はおらず、いずれも「軽斤量」から人気をある程度背負った状態で出走しているものの人気に応えられず凡走してしまっているのだ。

これは、例年の葵Sよりも直線での「向かい風」が強く吹いていて、逃げ・先行馬がタフな状況のなか、中団で前に壁を作れた馬に展開が向いたことが要因として考えられる。つまり、上位好走馬は展開に恵まれた好走で、騎手の差が大きく出たレースとなっていたわけだ。次走で上位馬が軒並み凡走していることを踏まえても、「最も恵まれた」本馬が今回のキーンランドCで好走できるかとなると話が変わってくることになりそうだ。

◆【キーンランドカップ2022予想/追い切り診断】気配は絶好な人気一角に「S」評価 「体をしなやかに使えていた」

【キーンランドC/追い切り診断】気配は絶好な人気一角に「S」評価 「体をしなやかに使えていた」

つぎに「同型の存在」について説明したい。前走の葵Sでは中団の馬込みの中で折り合いをつけ、4角でも手応えは十分。直線では綺麗に前が開きしばらく内にモタれていたが、ラスト300m過ぎに右手前に戻して1F標過ぎに先頭に立ち突き抜ける勝利だったが、本来はゲートも早くある程度のポジションをとれる器用さも持っている。

しかし、今回は「好位差し」を武器としている古馬が集結している。ウインマーベルと似た脚質を持っているのは、近走で安定してポジションを取れているシゲルピンクルビー、函館スプリントSで2着に好走したジュビリーヘッド、NHKマイルCでも逃げの手を打ったトウシンマカオや先行して連勝中のヴァトレニなど先団がごった返して流れることが想定できる。

ウインマーベルはこのメンバーに入ってもテンの速さは通用する余地があり、近5走で33秒前半から33秒後半でテンに行けるスピードを持っているだけにポジションを取りに行こうとするだろうが、上記に挙げた先行馬はテンに遅く、前走で掛かる面も見せたウインマーベルが先頭に立ってしまう可能性もあるのだ。

そうなってしまうと好位を追走している古馬先行勢に目標にされてしまう可能性がある。3歳馬という点で斤量面も有利に働く可能性もあるが、プレッシャーを感じて怯んでしまい、掲示板を外してしまう可能性も十分高いのだ。

以上の不安点から、ここは馬券的な妙味も考え、人気一角のウインマーベルを「消し」とする。今年のメンバー構成と道中のペースをイメージすれば、ジュビリーヘッドを中心に、メイショウミモザロードマックスヴァトレニヴェントヴォーチェら、ある程度のポジションから競馬ができ、ハイペースでも瞬時に反応ができる馬を上位に評価したい。

▼その他、穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】前走惨敗で“人気落ち”の妙味 「戦略に幅が出てきた」

【キーンランドC/穴ライズ】 前走惨敗で“人気落ち”の妙味 「戦略に幅が出てきた」

◆【穴馬アナライズVol.2】想定“10人気”前後の刺客 「名誉挽回の走りで波乱を巻き起こす」

【キーンランドC/穴ライズ】想定“10人気”前後の刺客 「名誉挽回の走りで波乱を巻き起こす」

◆【穴馬アナライズVol.3】洋芝巧者が前走“余裕の勝利” 「前走より条件はさらに良くなっている」

【キーンランドC/穴ライズ】洋芝巧者が前走“余裕の勝利” 「前走より条件はさらに良くなっている」

キーンランドカップ2022予想コラム一覧

▼追い切り診断
◆【追い切り診断】気配は絶好な人気一角に「S」評価 「体をしなやかに使えていた」

◆【追い切り診断】実績十分な重賞馬に低評価「B」 「人気ほどの信頼は置きづらい」

◆【追い切り診断】好調を維持している人気馬に高評価「A」 「狙った通りの仕上がりで走れる」

◆【追い切り診断】好走続く上位人気に「A」評価 「調整ペースが緩いのが気になるが…」

▼データ予想
◆【騎手データ】妙味満載の3騎手に注目も 軸は重賞7連続馬券圏内の好調騎手

◆【データ攻略-前編】洋芝巧者に「連対率80%」超え 注目は重賞初タイトルがかかる4歳馬

◆【データ攻略-後編】前走惨敗で“人気落ち”の妙味 勝率3割超えでも「勝ち切る候補」とは

▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】上位人気想定馬2頭が“勝率0%”の鬼門に 昨年の覇者レイハリアは8枠15番

◆【血統傾向】前走敗戦で“人気落ち”の妙味 距離短縮ローテで単回収値「192」の血

◆【脚質傾向】最多5勝と差しが活躍も 気にすべきは条件とは

◆【前走ローテ】レイハリアの連覇に警鐘、好走組に試練のデータ

◆【動画プレーバック/キーンランドカップ2021】4連勝で3歳牝馬のレイハリアが重賞2連勝を飾る

文●西舘洸希(SPREAD編集部)


この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします