夏競馬最終日となる4日は新潟競馬場でサマー2000シリーズの最終戦・新潟記念(GIII、芝2000m)が行われます。
今回は馬場改修後となる2001年以降の過去データを集計対象として気になる騎手データを見ていきます。
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■M.デムーロ騎手は新潟記念で鬼と化す
今年の新潟記念に騎乗する騎手の中で2001年以降のレースで騎乗経験があるのは17名。各騎手のデータは次の通りです。
まず目に飛び込んでくるのが、M.デムーロ騎手の圧倒的な成績ですね。2015年のパッションダンス(6人気1着)、2017年のアストラエンブレム(1人気2着)、2019年のジナンボー(6人気2着)、2020年のジナンボー(3人気2着)、そして昨年のマイネルファンロン(12人気1着)と5度の連対を誇ります。
昨年はフタ桁人気での勝利でしたから新潟記念=M.デムーロ騎手と覚えている競馬ファンが多いかもしれません。また【M.デムーロ騎手】×【関東馬】の組み合わせは【1.3.0.0】で連対率100%を記録。昨年のマイネルファンロンも該当する熱いパターンです。
同騎手は今年の新潟記念で前日15時時点12番人気のプレシャスブルー(牡8、美浦・相沢郁厩舎)に騎乗予定。2戦連続でフタ桁着順と常識的には狙いづらいものの同馬は昨年の6着馬です。新潟記念の鬼が跨る今年は大激走があるかもしれません。押さえは必須と考えます。
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■江田照男騎手にも一発の可能性
そしてM.デムーロ騎手と同じく集計期間内2勝を挙げる江田照男騎手についても見ていきましょう。同騎手は2005年のヤマニンアラバスタ(3人気)、2009年のホッコーパドゥシャ(5人気)の2頭を勝利に導き、2003年のカンファーベスト(7人気2着)、2004年のトーセンダンディ(6番気3着)のような伏兵馬も好走させてきました。
さすがにフタ桁人気馬では【0.0.0.5】ですが、10番人気以内に支持されるような警戒しておくべきでしょう。江田照男騎手は前日15時時点15番人気のフォワードアゲン(セ5、美浦・中野栄治厩舎)に跨ります。
こちらも人気という尺度から買いづらそうに見えますが、当日人気が上がるようなら押さえてみてください。
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■人気馬に跨る池添謙一騎手のジャッジは
最後に混戦の中、前日15時時点1番人気のヒートオンビート(牡5、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗を予定する池添謙一騎手のデータを見ていきましょう。同騎手は2009年のサンライズベガ(6人気2着)、2018年のブラストワンピース(1人気1着)と2度の連対がありますね。
人気と比べると着順の落ち込みは見られますが、他騎手のデータが芳しくないことを考慮すると、人気の人馬ではヒートオンビートと池添謙一騎手のコンビを信頼すべきと考えます。
やや消去法的な紹介となりましたが、今年の新潟記念は大混戦模様ですから、ヒートオンビートを軸に人気薄の馬へ流すだけでけっこうなリターンが見込めそうです。
以上、新潟記念の気になる騎手データでした。前日オッズも考慮し軸向きはヒートオンビートに跨る池添謙一騎手ですが、特大の一発があっても不思議ではないプレシャスブルーに跨るM.デムーロ騎手をデータ注目騎手として取り上げます。2年連続の激走が見られるのか注目してみてください。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。