Advertisement

【MLB】大谷翔平、米国で繰り返し浮上するカマラニ・ドゥンとの恋仲説とその背景

【MLB】大谷翔平、米国で繰り返し浮上するカマラニ・ドゥンとの恋仲説とその背景
エンゼルス・大谷翔平(C)Getty Images

■恋仲説の背景には人種問題も

奴隷の子として生まれながら、1908年に黒人として初めて、ボクシングのヘビー級チャンピオンになったジャック・ジョンソンは当時タブーだった白人女性との恋愛、結婚を繰り返した。元NFLのスーパースター、(※)O.J.シンプソンが94年6月に殺害したとされる元妻のニコール・ブラウンは白人女性だった。

(※)シンプソンは、日本社会で例えると長嶋茂雄さんに匹敵するアフリカ系スーパースター。この事件を巡り全米中継されたカーチェイスと「世紀の裁判」を経ての刑事無罪はアメリカで大ニュースとなった。また刑事事件として無罪ながら民事では有罪というねじれ判決がなされた。

トロフィーワイフ(社会的に成功した男性と結婚する美しい女性)ではないが、人種差別がひどかった時代を生きた有色人種の男性の中には、己が白人社会の中で差別を受けながらも成功した証、ステータス・シンボルとして白人女性を求めることが少なからずあったようだ。

時代は流れ、有色人種であるアジア系アメリカ人も無闇に白人を称賛し真似るのではなく、自分たちのアイデンティティにより目を向けるようになった。Facebookの日系アメリカ人向けコミュニティー「All Things Japanese American(日系アメリカ人のことなら何でも)」に8月27日、大谷翔平とカマラニ・ドゥンの写真がアップされた。最初に「カマラニ・ドゥンは多分、大谷翔平の彼女かもしれない」と書かれ、文末に、カマラニについて「民族的背景は多様です」と書かれていた。

2018年夏頃から取り沙汰される2人の恋仲説については、カマラニに8年以上付き合っているボーイフレンドの存在が明らかになるなど、信憑性は乏しいが、アジア人コミュニティの中では何度も蒸し返されている。

中国から感染が拡大した新型コロナウイルス感染拡大に加え、その憎悪を煽ったトランプ前大統領の影響で強まった「アジアン・ヘイト(憎悪)」により、辛い日々を送るアジア系の人たちは大谷とカマラニというアジア系カップルの誕生にある種の“希望と夢”を見いだしているのかもしれない。
 
◆満票MVP大谷翔平に思わぬ弱点が発覚、現地メディアも「なんでもできるということではない」とイジり倒す

◆MVPジャッジ満票、大谷翔平がまさかの0票 ESPNが賞レースを予測

◆米メディア、「大谷翔平はブラックスワン」と指摘 規格外「二刀流」がジャッジのMVPを阻むか

本田路晴(ほんだ・みちはる)

フリーランス・ジャーナリスト

Advertisement


読売新聞特派員として1997年8月から2002年7月までカンボジア・プノンペンとインドネシア・ジャカルタに駐在。その後もラオス、シンガポール、ベトナムで暮らす。東南アジア滞在歴は足掛け10年。趣味は史跡巡り。