3日間競馬の最終日となる19日は中山競馬場で菊花賞のトライアル重賞・セントライト記念(GII、芝2200m)が行われます。なお、19日は台風接近のため競馬開催に影響が出る可能性があります。開催の有無については当日の朝にJRAのHPをご確認ください。
今回は2002年、2014年の新潟開催を除く2000年以降の過去データを集計対象に気になる騎手データを見ていきます。
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■データ上の注目は2騎手
今年のセントライト記念に騎乗する騎手の中で、2002年、2014年の新潟開催を除く2000年以降のレースで騎乗経験があるのは10騎手。各騎手のデータは次の通りです。

[2000年以降]セントライト記念の騎手別成績(2002年、2014年の新潟開催を除く)
集計期間内4勝を挙げる蛯名正義元騎手が調教師に転身し、同じく4勝を挙げる北村宏司騎手が今年は不在。各騎手の勝率は寂しいものの、連対率30%を超える騎手が3名見つかりますね。うち着順と人気のバランスも良好なのが、戸崎圭太騎手と松岡正海騎手です。
戸崎圭太騎手は2013年のアドマイヤスピカ(6人気3着)、2016年のゼーヴィント(2人気2着)など4度の馬券絡みがあり、2020年以降は2年連続で連対中。注目は人気で【戸崎圭太騎手】×【2番人気以内】は【0.3.0.0】と連対率100%のデータが見つかります。2着止まりではありますが、馬連、3連複の軸としては十分ですね。
同騎手が今年のセントライト記念で跨るのが昨年のホープフルSで3着に駆けたラーグルフ(牡3、美浦・宗像義忠厩舎)。当日2番人気以内に推されるようなら『鉄板』級と考えられます。
また、松岡正海騎手も堅実な騎乗が多く2008年のマイネルチャールズ(1人気2着)、2009年のセイクリッドバレー(4人気2着)と2度の連対がありますね。加えて【松岡正海騎手】×【関東馬】は【0.2.0.2】で連対率が50%にまで上昇。
奇しくも松岡正海騎手は今年関東馬のキングズパレス(牡3、美浦・戸田博文厩舎)に騎乗予定ですので、人気以上の激走が見られるかもしれません。キングズパレスはフィリーズR勝ちのリバティハイツの全弟という良血馬。血統的にも注目できそうです。
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■C.ルメール騎手も軸として信頼できる
続いて上記2騎手と同様に連対率30%以上の数値を誇るC.ルメール騎手について見ていきましょう。2015年のロッカフェスタ(4人気15着)の成績が響き、人気と比べると着順の落ち込みが目立つ同騎手ですが、2017年以降の成績は上々です。1番人気2頭で2着2回と勝ち切れないものの、昨年は5番人気のオーソクレースで3着とこの舞台では堅実です。
同騎手の注目材料は戸崎圭太騎手と同じく人気で【C.ルメール騎手】×【5番人気以内】は【0.2.1.1】と連対率がこちらも上昇。同騎手が跨るローシャムパーク(牡3、美浦・田中博康厩舎)が当日5番人気以内に推されるようなら信頼できそうですね。
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■アスクビクターモアに跨る田辺裕信騎手のジャッジは
最後に圧倒的な人気が予想されるアスクビクターモア(牡3、美浦・田村康仁厩舎)に騎乗を予定する田辺裕信騎手のデータを確認していきましょう。連対率は先に取り上げた3騎手に比べて劣りますが、平均人気の差があります。
同騎手は2018年のジェネラーレウーノ(4人気)、2021年のアサマノイタズラ(9人気)と2頭の伏兵馬を勝利に導いていて、セントライト記念の勝ち方を知っている騎手。これは勝利経験のない騎手と比べて大きなアドバンテージかもしれませんね。
また、人気と着順のバランスそのものは良く、人気通りの着順が見込めます。そのため圧倒的人気のアスクビクターモアを嫌うよりは頭で信頼した方が良さそうです。
以上、セントライト記念の気になる騎手データでした。頭なら田辺裕信騎手ですが、人気も人気。今回は人気以上の好走があっていい戸崎圭太騎手、松岡正海騎手、C.ルメール騎手の3名をデータ注目騎手とします。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。