2018年12月20日、クラブW杯準決勝が行われ、鹿島アントラーズとレアル・マドリードが対戦した。
序盤は互角の戦いと思われたが、前半44分にレアル・マドリードのガレス・ベイル選手が先制ゴールを決める。
ベイル選手はその後も得点を重ね、大会3人目となるハットトリックを達成。世界中のサッカーファンに強烈な印象を与えた。
ベイル ハットトリックかよ
やばいな笑— Mr.わかめ (@Gd7eqSaAN1H9fzY) 2018年12月19日
ベイル半端ないって…
あいつ半端ないって…— SK # 7 (@shirakawaNIKE1) 2018年12月19日
Gareth Bale with the hat-trcik, thats wonderful. Only if he could play like this everytime that would be amazing.
— ⓫Abdallah M.⓫ (@Madridholic11) 2018年12月19日
この一戦に臨む直前、ベイル選手は自身のインスタグラムにレアル・マドリードのメンバーと撮った集合写真を投稿している。
にこやかな笑顔で写真に写るベイル選手がどんな人なのか、解説しよう。
目次
レアル・マドリードのFWとしてプレー
ベイル選手はレアル・マドリードに所属するFW。圧倒的なドリブル速度と得点力で魅せるストライカーである。
プレースタイル
ベイル選手のプレースタイルは、同じウェールズ出身のライアン・ギグスさんと似ている。
ギグスさんは、選手キャリア晩年に差し掛かった時こそ、創造性とパスの技術でチームに貢献していたが、デビュー当時は「ジャックナイフ」と称されていた。
ベイル選手は小刻みにステップを踏み、進行方向を変えていく鋭いドリブルが特徴。デビュー当時のギグスさんを彷彿させる。
2015年のFIFAの調査によると、ベイル選手のドリブル時速度は36.9km/hで世界最速だった。
そして何といっても、フリーキックの名手だ。自身の代表初ゴールも、EURO2016でも、得意の無回転シュートが炸裂している。
デビュー当時のポジションは左サイドバックだったが、攻撃能力を買われFWにコンバートされ、現在は両ウイングの選手として活躍する。
トッテナム・ホットスパーに在籍していた2012-13シーズンでは主にトップ下で起用される。
2013-14シーズンから移籍したレアル・マドリードでは、左からクリスティアーノ・ロナウド選手、カリム・ベンゼマ選手と並び、右ウイングとして起用される機会が多くなり、この3トップをBBCと呼ぶようになっていった。
一方、ピッチ外ではプレースタイルの激しさとは違い穏やかな性格の持ち主。トッテナムのハリー・レドナップ氏は「性格が凄くいい子なんだ。あんなに感じが良くて手がかからない子はそういないよ」と発言するほどである。
2013年9月のデビュー戦で移籍後初得点を挙げるなど勝負強さを発揮し、順風満帆にキャリアを進めていくと思われていたが、2014年10月にウェールズ代表で肉離れを引き起こす。
しかし、リーガ第11節で復帰後即先発で先制点を挙げて復活をアピール。2014年のFIFAクラブワールドカップでは、チームメイトのセルヒオ・ラモス選手と共に得点王に輝いた。
UEFAチャンピオンズリーグ決勝でのオーバーヘッドキックが話題に
2015-16シーズンは、ロナウド選手らと欧州最優秀選手賞の候補にも選出されるなど、充実した日々を送っていた。そして、2016-17シーズンからレアル・マドリードとの契約を2022年まで延長したことを発表する。
しかし、ここでアクシデントが発生。2016年11月22日UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグ、スポルティング・リスボン戦で右足首を負傷し戦線離脱してしまう。
右足首の手術に踏み切ったことで、年末に開催されたFIFAクラブワールドカップ2016も欠場。
2017年2月に怪我から復帰したが、コンディション不良で思うような結果は残せず、4月に開催された第33節FCバルセロナ戦でケガの再発で途中交代。
結局、このシーズンは19試合の出場にとどまった。ただ、ベイル選手がこれで終わることはなかった。
故郷カーディフで開催された、UEFAチャンピオンズリーグ決勝戦の後半77分から出場。チームは優勝し、ベイル選手自身は地元開催で優勝した史上6人目の選手となった。
そして、昨季のUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、レアル・マドリードはリバプールを3-1で下した。
後半16分からピッチに入ったベイル選手は、後半19分に左サイドのマルセロ選手からのクロスを中央でしっかり待ち構え、ゴールを背に向けて左足を振りぬく。豪快なオーバーヘッドキックはゴール左隅に吸い込まれ、チームを優勝に導いた。
しかし、この豪快なオーバーヘッドキック弾は、のちに発表されたUEFA年間ベストゴールの候補11枠に入らなかった。ちなみに年間ベストゴールに輝いたのは、チャンピオンズリーグ準決勝第1戦でユベントス相手にロナウド選手が決めたオーバーヘッドキック。
スペインの地元紙も話題にしたほどで、独自のアンケート調査では95%の支持率を集めている。ベイル選手は、ロナウド選手の陰に隠れながらも、ここ一番では派手な得点を演出してきた。
ロナウド選手がユベントスに移籍した今、チームのエースになったベイル選手は「よりリラックスできている」とコメントしている。
ウェールズ代表としてプレー
ベイル選手は、ウェールズ代表として国際大会に出場している。ウェールズ代表は2018年のロシアW杯予選を勝ち抜けなかったが、ベイル選手自身は2022年のカタールW杯出場を目指すと熱く語っている。
代表最年少選手としてデビュー
ベイル選手は2006年5月25日のトリニダート・トバコ戦で、ウェールズ代表としてデビューした。16歳315日は、ウェールズ代表史上最年少記録。その後、ハリー・ウィルソンが2013年10月に16歳207日で代表デビューを果たし、最年少記録を更新した。
ベイル選手は祖母がイングランド人。イングランド代表としてのプレーを選択することも可能だったが「ウェールズ代表としてプレーすることをとても誇りに思っている。僕のハートにはイングランド代表に対して奮い立つ気持ちはない」とコメントしている。
代表初得点は、デビューした年の10月7日に開催されたEURO2008予選ラウンドのスロバキア戦。ゴールへの直接フリーキックから得点を挙げた。
代表の最多得点記録を更新
EURO2016予選では7得点を挙げ、ウェールズ代表史上初の本戦出場に大きく貢献する。
2016年6月に行われたグループリーグ第1戦では、代表初ゴールと同じく直接フリーキックを記録。ウェールズ代表EURO本大会初得点者として、ウェールズ代表初勝利の立役者になった。
第2戦のイングランド戦でも2戦連続となる直接フリーキックを叩きこむ。さらに第3戦のロシア戦も得点を挙げ3戦連続で得点を達成。ウェールズ代表を、グループリーグ突破とベスト4入りに導いた。
EURO2016本大会から約1年半後の2018年3月には、中国で開催された「チャイナカップ」に出場。初日の中国戦で3得点を挙げてハットトリックを達成。
同時にこのゴールで代表通算29得点となり、イアン・ラッシュを抜きウェールズ代表最多得点の記録を更新した。
私生活では3児のパパ
そんなベイル選手は、2016年に高校時代から付き合っていたエマさんと婚約中。子宝に恵まれ、現在は3人のお子さんを育てるパパでもある。
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2018年5月に3人目の子供となるアクセルくんが生まれた際は、世界中のファンから祝福の声が届けられた。
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