【カタールW杯】PKストップで引き分けた日本、シュミット・ダニエルを守護神に推す理由にサッカーの進化あり

エクアドル戦でPKを止め、存在感を示したシュミット・ダニエル (C) Getty Images

11月に開幕するFIFAワールドカップ2022カタール大会へ向け、欧州遠征に出ていたサッカー日本代表(FIFAランキング24位)は27日、ドイツのデュッセルドルフでエクアドル代表(44位)と対戦した。

◆【実際の映像】見事PKを止めて見せたシュミット・ダニエル

■南野拓実、古橋亨梧の2トップは機能せず

日本は相手に決定機を許す場面も多かったが、GKシュミット・ダニエル(シント・トロイデン)がPKセーブを含めた度重なるファインセーブを連発。南米予選を4位で突破したエクアドルを無失点に抑えた。一方、効果的な打開策を打ち出せずに無得点。スコアレスドローで終えている。

日本は23日にアメリカ代表(14位)と対戦。前線からのプレスでことごとくボールを奪い、電光石火のショートカウンターでゴールを奪う「仮想ドイツ」対策が奏功。2-0と快勝していた。

しかし、エクアドル戦の先発メンバーはアメリカ戦から全員が入れ替わった。もっとも、同じくカタールW杯に出場するエクアドルも主力数人をベンチに温存。本大会へ向けての情報戦の意味合いもある。「見せないこと」も重要だ。よって、この試合はポジション争いや本大会メンバー生き残りを懸けたサバイバルなど、選手たちの競争に主眼が置かれた。

アメリカ戦と同じ[4-2-3-1]のシステムを採用した日本は、前線に今夏移籍したモナコで本調子を取り戻せないMF南野拓実をFW古橋亨梧(セルティック)との2トップ気味に並べたが、攻撃の形すら作れなかった。コンディションさえ整えば、FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)の復帰がサプライズ選出となりそうだ。

また、2ボランチの個性が合わなかった。柴崎岳(レガネス)はこの日のゲームキャプテンを任されたように森保ジャパンでは発足当初からの常連だが、不調が長く続いている。サプライズ落選の気配が漂うほど深刻な落ち込みだ。

田中碧(デュッセルドルフ)はこの会場を所属チームのホームとして戦っているにも関わらず、後手を踏んだ。アジア最終予選では苦境に陥った森保ジャパンを救った田中だが、「本大会仕様」のチームではバックアップにまわることが予想される。

共にゲームメーカー気質でボール奪取力に乏しいため、世界的強豪リヴァプールも熱視線を送る相手MFモイセス・カイセド(ブライトン)らの強度に支配を許した。柴崎も田中も海外組だが、共に2部リーグに所属している現実を見せられた格好だ。

■ブンデスリーガの採点でMF部門のトップに立つ鎌田の存在

強度は高く保たれたものの、凡庸な内容に終始した前半。後半からは随時アメリカ戦で先発した主力組がピッチに投入された。

中でも67分からMF鎌田大地(フランクフルト)が出場すると日本の流れとなった。ドイツ紙『キッカー』において今季のブンデスリーガの採点でMF部門のトップに立つ彼は、今季すでに直接フリーキックを2本決めている。日本はセットプレーが課題に挙げられることが多いが、鎌田の存在はその意味でも大きい。今年に入って代表落選も経験したが、アメリカ戦で先制点を決めるなど、この欧州遠征で一気に絶対的存在へと駆け上がった。

一方、アメリカ戦は途中出場から追加点を奪ったMF三笘薫(ブライトン)は左ウイングで先発。持ち前のドリブルで好機を演出し、先発でも十分にやっていけるだろう。所属するブライトンではスーパーサブ起用が続くが、切り札として起用される日本代表と同じ役目なのは好都合だろう。もっとも、ブライトンは監督が交代したため、W杯本大会までの1カ月半ほどで三笘の立場は劇的に変わる可能性もある。

嬉しい驚きは限界説を唱えられていた36歳、長友佑都(FC東京)の復調だ。適任者不在の左サイドバックで83分間出場し、対面した南米の猛者たちとの1対1の局面でまったく負けなかった。攻撃的に振る舞うと全盛期からの衰えが顕著に見えるが、本大会仕様で守備優先の戦い方ではファーストチョイスに戻った感がある。


この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします