アジア最大の総合格闘技団体「ONE Championship(ワン・チャンピオンシップ)」創始者であるチャトリ・シットヨートンCEOが17日、都内で記者会見を行い、11月19日にシンガポールで開催される「ONE 163: AKIMOTO VS PETCHTANONG」の出場選手と対戦カード、大会概要を発表した。
同大会には日本人選手5人が参戦。メインイベントにはONEバンタム級キックボクシング世界王者の秋元皓貴によるペッタノン・ペットファーガス(タイ)との初防衛戦が組まれ、そのほか「青木真也 vs. ザイード・イザガクマエフ」「岡見勇信 vs. アウンラ・ンサン」「若松佑弥 vs. ウ・ソンフン」「平田樹 vs. ハム・ソヒ」のカードが決定している。
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■チャトリCEO「判定を狙うならONEは合わない」
記者会見には、青木真也、岡見勇信、若松佑弥の3人が登壇し、各々が試合にかける意気込みを語った。
チャトリCEOは今大会について、「日本人のベストファイターと、世界のベストファイターたちが出場する大会」とぶちまけた。
タイと日本のハーフであるチャトリCEOは、「当然、日本人選手に頑張ってもらいたい。世界最高レベルの『ONE』で、選手がそのレベルに達することを期待している」としながらも、日本人選手の競技力については「正直、まだ世界レベルまで達っしていない」と厳しい見方を示した。
選手のファイトマネーにも言及し、「日本人選手が格闘技にコミットして稼いでいけるように、『ONE』がきちんと選手に投資し、金銭的にも支援していくことで、モチベーションと競技力を上げていくことが大事」と、格闘技界が抱える課題解決にも乗り出したい考えだ。
さらに、日本の格闘技ファンの間で時々物議を醸している「ONEの判定ルールについて質問が及ぶと、「ONE」の採点システムは他の団体と同じような10点採点ではないとし、「『試合中のダメージ』と『ニアKO』に重きをおいた“リアルなファイト”、“リアルなフィニッシュ”を目指している」と「ONE」の独自性を強調。
その結果、他の団体のフィニッシュ率(KOなどによる勝敗決定率)が約40~50%であるのに対して、『ONE』は約70%と、世界一を誇るとし、徹底した“リアルファイト”が数字にも表れていると自信のほどを覗かせた。
最後は「判定を狙うのなら、『ONE』という団体は合わない」とバッサリ。揺るがない“リアルファイト”への追求と、選手の待遇改善が日本の格闘技界にどのような影響を与えるか。
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文●SPREAD編集部