【Dリーグ】ソフトバンクがダンス界で実現させた近未来的3D映像の衝撃 3Dバトルも提供スタート

ソフトバンクのxRスタジオで撮影されたDリーガーが、バーチャル空間に映し出された映像 撮影:SPREAD編集部

日本発のダンスリーグであるDリーグが発足して早2年の月日が流れた。

この10月からサードシーズンに突入、発足時にコロナ禍と重なるという不運に見舞われたものの、小・中学校の必須科目でもあり、現在600万人と言われている日本のダンス人口に支えられ、確実にファンを増やし、その存在感を日に日に大きくしている。またいよいよ、2024年のパリオリンピックでは、ブレイキンブレイクダンス)が正式種目となり、金メダル候補に日本勢があげられるなど、スポーツ界でのメジャー感も増すばかりだ。

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■脳に認知させるまったく新しいダンス体験

そんなDリーグのトップスポンサーであるソフトバンクが、最先端の技術を駆使したxRスタジオで、実際のDリーガーの動きを3D動画化する現場に立ち会えるということで、“自称”心のダンサーである私は想像力もたくましく胸躍らせ、都内某所へ足を運んだ。

ソフトバンクxRスタジオ全景 撮影:SPREAD編集部

ダンサーであれば誰しも、ダンスを体得する際には鏡を前にし、できるだけ師匠や先達のすぐ脇に立ち、その動きのシャドウ(影)となれるよう、必死に動きを追って習得していくもの。だがひいきにしているプロのダンサーのダンスをすぐそばで感じられる機会となると、そうそうめぐってくるものではないだろう。

しかしながら今の時代、最新技術をもってすれば、30台のカメラで捉えた実映像がAIによる処理を介しそのまま3D映像として360度あらゆる視点から再生可能となり、ホログラム化されたかのように立体の質量をそのままに間近に感じることができる。これは、見本となるダンスで行われる重心の移動やこまかなディテールを捉え、自分の動きとして理解すべきダンサーにとって画期的な技術だ。またいちファンとして、見る側にとっても、まったく新しいこれまでにない鑑賞体験が生まれる。

VFX撮影を思わせるグリーンバックのスタジオで撮影に備えるDリーガー 壁際にカメラが見える 撮影:SPREAD編集部

xRスタジオに備え付けられた30台のカメラはDリーガーの動きを録画し、その膨大な情報をAIが1.2ミリ四方のドット単位でデータ化して3次元で立体映像に加工。その1.2ミリの粒子の集合体がいわば素早く移動する雲のように動いて見えるのだが、その量感はこれまでにない不思議な感覚として脳に認知されてゆく。現在は2次元スクリーンに映し出される、ARとして視聴できる「立体的映像」ではあるが、この技術が進むと3次元ホログラムとして投射可能な映像となりえるという。驚きであるとともに、本当に楽しみでならない。そのホログラムと共に、何度でも自分の動きを繰り返し、ホログラムのシャドウとなれるように練習をする日も来るのかもしれない。ソフトバンクのサービス「AIスマートコーチ」もいずれは、ホログラムとして提供される時代がやって来るのだろうか。

もちろん、自分の動きを3D化し、客観的かつ立体として自らのダンスを感じられるようになれば、日々の習練の質も飛躍的に上がってゆくに違いない。

こうした最新テクノロジーの発展はさまざまに広がりを見せ現在、すでに3D映像のNFT流通もスタートしている。このNFTは証明書付きで今秋1万2000円で発売され、現在LINE NFTにより二次流通も可能となっている。Dリーグを通してソフトバンクからまったく新しいビジネスが創造されているというこの事実に際し、まさにここから始まる新デジタル時代の移り変わりを目の当たりにしているのだという感慨に浸るのだった。パフォーマンスをNFT化するということも、ダンスだからこそ、リアルな価値として浮かび上がり、スムーズにファンに受け入れられて実現できたのではないだろうか。

Dリーグ公式アプリ上においては、この3D映像を駆使し、リーグのラウンドと連動したダンサー同士のダンスバトルを実現。ユーザー、ファンがこのバトルに投票することで、勝敗を決する「3Dバトル」も10月18日より提供開始となっている。

Dリーグとソフトバンクの共同事業による世界に先駆けたこの流れは、日本のダンス界を盛り上げ、「世界中すべての人に、ダンスがある人生をもたらす」というDリーグのミッションの遂行をさらに推し進めるに違いない。そして、ダンサーもダンスファンもそれぞれの楽しみ方が広がり、日本のダンス界を支える基盤はますます強固なものとなり、それが確実に世界へと伝わっていくだろう。

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著者プロフィール

Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター

『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー


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