【プロ野球】日本シリーズでホーム・チーム有利は本当か 過去の対戦成績から実証する

 

【プロ野球】日本シリーズでホーム・チーム有利は本当か 過去の対戦成績から実証する

■3勝2敗の王手からホーム2連敗は実に7例

1950年に行われた第1回は、毎試合球場が変わるシステムだったため、第2回の1951年から2021年までの71回、ホームチームは219勝192敗、勝率は5割3分3厘である。世間が騒ぐほど地元が有利ではないとわかる(1981年の全戦後楽園球場で行われた日本ハム・ファイターズ対読売ジャイアンツのシリーズは後攻チームをホームチームとしてカウントしている)。

また、優勝が決まる試合は、ホームが71回中34回であり、ビジターが勝ち越している。特に7戦までもつれたシリーズのうち1955年、1958年、1964年、1986年(引き分けをはさみ第8戦まで)、1989年、2004年、2008年は、ホームチームが3勝2敗で王手をかけた状態で地元に戻って連敗、ビジターに優勝をさらわれたケースで、実に7例もある。

◆【検証結果一覧】日本シリーズ、ホームとビジターの勝敗表 

この7度の例には入らないが、1976年の日本シリーズを私は忘れることができない。

阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)3連勝のあと読売ジャイアンツが3連勝、しかも第6戦は7-0からの逆転勝利とあって、ホーム後楽園球場で迎えた第7戦は大騒ぎとなっていた。その時点で史上二度目の3連敗からの逆転優勝を巨人が果たすものと思った人は多かったのだろう。高校生だった私も巨人の勝利を疑わなかった。

しかし、運命の第7戦で阪急は福本豊のホームランなどで巨人の先発ライトを打ち崩し、阪急の先発・足立光宏は超満員の巨人ファンに囲まれながら2失点完投勝利を挙げた。この時、足立は「騒ぐなら騒げ」とつぶやきながら投げたと囁かれている。当時の私にとって、この試合は呆然とするような、信じられない結果だった。だがこの後から、勢いだの流れだの、いろいろ取り沙汰されようと、先発投手がしっかり仕事をこなせば、それが勝利に結びつくと考えるに至った。

そして前述した通り、試合結果を振り返れば、その通りである。

さて、今年のシリーズ、オリックスが第5戦で劇的な勝ち方をして気分よく移動できるという解説が多いけれども、ここでも私は「それはそれ」と思う。第6戦と7戦の投手陣と打線、そして監督の采配など、いつもどおり野球は両軍の力量、そして少しの時の運で結果が出る。

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著者プロフィール

篠原一郎●順天堂大学スポーツ健康科学部特任教授

1959年生まれ、愛媛県出身。松山東高校(旧制・松山中)および東京大学野球部OB。新卒にて電通入社。東京六大学野球連盟公式記録員、東京大学野球部OB会前幹事長。現在順天堂大学スポーツ健康科学部特任教授。