■ジャックドール
【中間調整】ケレン味のない徹底先行策で今春の金鯱賞まで破竹の5連勝。初のGI挑戦でも勢いを期待され、2番人気の支持を得た4月の大阪杯だったが、ここではオーバーペースが祟って5着までだった。ひと息入れて臨んだのが前走・札幌記念。同型パンサラッサにハナを任せ、自身は好位からの競馬を選択というこれまでとは違った競馬ながら、ゴール寸前まで粘っていたパンサラッサを渋太く競り落とし勝利を収めた。戦法に幅ができた状態で、左回りかつ芝2000mとベスト条件と思える大目標の天皇賞・秋に挑む。9月27日に栗東へ戻り、当初はケアに専念。10月8日の中間初時計で坂路2F13秒6-12秒6(馬なり)とさっそくスムーズな加速を披露した。1週前追いには藤岡佑騎手が跨り、CWでオープン馬を追走。5F64秒0(強め)という自己ベストタイムを叩き出している。
◆【天皇賞秋2022予想/騎手データ】軸は馬券圏内率“8割超え”の名手も、人気以上に導く穴男に注目
【最終追い切り】1週前がさすがにオーバーワーク気味だったのか、レース当週は鞍上・藤岡佑騎手との意思疎通を深めることに主眼を置いたような終い重点のCW単走。道中やや散漫にも見えたが、いい方に捉えれば気分良く折り合えていたとも取れる。ラストは促しにいい反応を示し滑らかに加速。単走とすれば十分に気持ちが乗っていた。
【見解】1週前が破格の時計。ただし鞍上のコメントだと前進気勢が強過ぎた感もあったようで、諸手を挙げて歓迎というものでもなかったようだ。今週はその点を踏まえしっかり修正。リラックスして脚を溜めると、ラストでをしっかり弾けていた点には好感が持てる。2週前坂路、1週前コースと前に馬を置く形の鍛錬も万全。好気配をキープしており、GI奪取へノンストップだ。
総合評価「A」
▼追い切り診断
◆【追い切り診断】3歳勢の一角に“文句なし”「S」評価 「現時点でやれることはやり切った」
◆【追い切り診断】GI馬にまさかの低評価「B」 仕上げの比重は「次走に傾いている感」
◆【追い切り診断】高評価「A」に“大駆け”の可能性 「負荷、本数ともに前走時を凌駕」
天皇賞秋2022予想コラム一覧
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】前日“10人気”前後の盲点 「この人気はお買い得の一言」
◆【穴馬アナライズVol.2】単勝オッズ“20倍”以上の刺客 「前走で歯車が噛み合った」
◆【穴馬アナライズVol.3】覚醒した“8人気”前後の伏兵 「“どデカい”穴を開ける資格」
◆【危険な人気馬】3歳世代の一角は“消し” 「メイチ勝負で完敗の前走が実力」
▼データ予想
◆【データ攻略-前編】イクイノックスに「馬券内率8割」超えも、人気一角に“鉄板”条件
◆【データ攻略-後編】GI初挑戦組に「連対率70%」超え さらなる好材料で激走の予感
◆【騎手データ】軸は馬券圏内率“8割超え”の名手も、人気以上に導く穴男に注目
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】ジャックドールは5枠9番 3歳馬イクイノックスとジオグリフは最多4勝の好枠に入る
◆【血統傾向】復調気配の想定“10人気”前後に注目 馬券内率4割の単回収値「148」条件に合致
◆【脚質傾向】4角5番手以内の“横綱競馬”が主流 勝算ありのジャックドール
◆【前走ローテ】シャフリヤールに“不安”データ、春GI直行組の「好走条件」を考察
◆【人気傾向】馬券内率“9割”の1人気を信頼も、単勝オッズ10倍台が台頭する
◆【動画プレーバック/天皇賞・秋2021】3番人気エフフォーリアが2強を堂々と破り19年ぶりの3歳馬の優勝を飾る
著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。