川口能活、指導者像を語る「苦しい時にチームを救えるような選手を育てたい」

12月13日、「プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド」Jリーグモード実装 メディア発表会が行われ、サッカー元日本代表の川口能活さんが登壇した。

先日現役引退を発表したばかりの川口さん。編集部は日本代表として活躍した試合の思い出や、今後のキャリアについて迫った。

日本代表でプレーするラストチャンスだと思って臨んだ2004年のアジアカップ

ー:2004年のアジアカップ準々決勝ヨルダン戦のPK戦で、ナイスセーブを連発したことが印象にあります。川口さん自身もこのプレーを振り返って「ゾーンに入っていた」と語っておられましたが、その後同じような感覚に陥った経験はありますか?

川口能活さん(以下、敬称略):あの試合は、キーパーとしての能力もそうですけど、精神力、研ぎ澄まされた感覚であったり、そういった能力を全て出し切った試合だったと思うんですよね。

あれに近い感覚だったのは、ドイツW杯でブラジルと対戦した4失点する前の時間帯だとか。

何度かJの舞台でもありますし、いくつかあります。ゾーンに入った状態は経験していますけど、あの時ほどのゾーンに入った瞬間はなかったかなと思います。

(c)Getty Images

あれは、プレーの流れの中でもそういう状況を生んだんですけど、毎試合ほぼアウェイでしたし、ブーイングを受けている中、日本代表選手と、重慶まで応援に駆けつけてくれたサポーターの方々の心が、少ない人数で一つになった瞬間ですね。

自分だけの力じゃないし、自分のパフォーマンスを見せるためには自分一人では発揮できない。そういうのを総合的に見て、あの試合は全てが噛み合ったかなと、思います。

PK戦の場面では、あの場面で決められたら終わりという状況でしたから、ここは反応で止めるしかないと思っていました。先に動いたら終わり、ボールを見て反応することしか考えていなかったです。

あと、自分にとってあのアジアカップは日本代表でプレーできるラストチャンスだと思って臨んでいました。

そういう覚悟を決めて臨んだ大会であったと同時に、久々に代表でプレーできる喜びと覚悟の精神的なバランスが非常によくて、リラックスしている中にも緊張感はあったし、そのバランスが非常に取れていたので、あのゲームができたんじゃないかと思います。

ー:来月にはアジアカップが行われますが、アジアカップで注目している選手は?

川口:キーパーの東口選手には期待しています。彼は年代別の代表と縁がなかったけれど、A代表に選ばれた。新しい森保さんの日本代表でおそらく彼がレギュラーとして出ると思うので、32歳にしてそういったチャンスが巡って来たので、彼に頑張って欲しいし、力むことなく、その場を楽しんで欲しいと思います。

「苦しい時にチームを救えるような選手を育てたい」

ー:引退して間もないとは思いますが、引退を実感する瞬間や、生活が変わったなと思う瞬間はありますか?

川口:まだ正直実感はないですよね。実際、来年も現役を続けていたとしても、オフじゃないですか。チームが始動する1月の中旬、それから2月にプレシーズンキャンプが始まり、Jリーグか開幕する。そういったときに自分がその中にいないことで初めて「あ、自分は引退したんだ」ってことを実感するかもしれないです。

「引退されてどんな感触ですか」と聞かれますけど、実際のところまだ実感はない。これから徐々に感じていくかもしれないですね。

ー:引退会見では、指導者としてサッカー界に貢献していきたいとありましたが、指導者としての目標を教えてください。

川口:まず選手よりも絶対に目立ってはいけないし、選手のことを第一に。こちらからアドバイスはしますけど、選手が気持ちよくプレーできるように、そして苦しいときにチームを救えるような、そういう選手を育てたいですね。

コミュニケーションをとりながら、苦しい状況の時に、どういうメンタリティでいるのか、どういう風に普段から準備していくかを伝えていければいいなと思います。

簡単ではないと思いますけど、徐々に、徐々に伝えていきたいです。

引退は、「選手というステージから次のステージへ向かうもの」だと、ポジティブに捉えていると話してくれた川口さん。

その経験値は指導者として、日本サッカー界に間違いなく良い影響を与えてくれるだろう。

プロフィール

1975年8月15日生まれ。静岡県出身。

清水商高ー横浜F・マリノスーポーツマスFC(イングランド)ーFCノアシェラン(デンマーク)ージュビロ磐田ーFC岐阜ーSC相模原

日本代表国際Aマッチ116試合出場※日本人歴代3位

2017年11月Jリーグ通算500試合出場

≪関連記事≫

川口能活、ゲームに登場する自身の能力を見て大満足

川口能活、現役時代との生活の違いを告白…「甘いものって美味しくていいな」

サッカー元日本代表GK川口能活は、J3で日本代表MF堂安律の能力を見抜いていた?「非常に衝撃を受けました」

播戸竜二、J3 FC琉球に移籍から3ヵ月…元サッカー日本代表はいま何を思うのか

清水エスパルス、まる子の「あたしゃJ2やだよ」に奮起?…さくらももこさんを悼んだ試合