【カタールW杯】大勝劇の裏で抗議と連帯のメッセージ… イングランド、イランが訴えたもの

カタールW杯初戦でイランに大勝したイングランド(C)ロイター/USA TODAY Sports

FIFAワールドカップカタール2022・グループB第1節が21日に行われ、優勝候補の一角イングランドイランを6-2で粉砕した。この試合で注目されたのは、結果や内容だけでなく、両チームが取った行動。いずれも差別や弾圧に反対するメッセージであり、大きな話題を呼んでいる。

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■ピッチに片膝をつき「反差別」メッセージ

イングランドはキックオフ前、選手全員がピッチに片膝をついた。これは人種差別・暴力などに反対するメッセージポーズで、もともとは2020年に米国で起きた警察官による非武装黒人への銃撃事件を受け、NFLの選手たちが抗議の意を込めて始めた行為。ただ、イングランド代表も当該事件以降、片膝をつく行動を続けてきた。

イングランドは当初、多様性の推進や反人種差別を訴えるキャンペーン「ONE LOVE」の文字が入ったキャプテンマークを主将ハリー・ケインが巻く予定だったが、FIFAは試合前日になって「着用した場合、規定違反としてイエローカードの対象になる」と通達。それまでは「ONE LOVE」を着用した場合は罰金という処分内容だったが、一転、勝敗に影響を及ぼすものに変更されたため、着用を断念。片膝をつくことで、改めて反差別を訴える行動に出た格好だ。

英紙『ガーディアン』など複数メディアによると、カタールでは2010年のW杯開催決定後、6500人にのぼる移民労働者がスタジアムやホテルなどの建設現場で死亡したという。また、同性愛が法律で禁止されているなど性的少数者に対する差別が問題視されており、多くの代表チームが抗議の声をあげていた。

■国歌斉唱を拒否し沈黙貫く

一方、イングランドの対戦相手イランは国歌斉唱を拒否し、沈黙を貫いた。これは、イラン国内で続く抗議デモへの連帯を示す動きと見られている。今年9月、22歳の女性が髪の毛を隠すスカーフのかぶり方を巡って逮捕され、その後に死亡した件を巡り、イラン国内では抗議運動が拡大、各地でデモが発生している。

イランのカルロス・ケイロス監督は試合前、「政権に抗議するのは選手たちの自由だ。試合のルールに従い、FIFAの精神を遵守した上で、誰もが自分を表現する権利を持っている」と話し、代表選手の国歌斉唱拒否の動きを容認していた。

報道によると、イランではサッカーのほか、ビーチサッカーや水球、バスケットのチームなどが国歌斉唱を拒否しているという。

FIFAは今回、人種差別に反対し多様性を訴える選手たちの行動について「欧州の価値観で人権問題などを批判すべきではない」とコメントしたが、波紋は広がるばかりだ。

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文●SPREAD編集部


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