【ボクシング】暴れん坊カシメロ vs. 倒し屋・赤穂の一戦はガチンコの喧嘩ファイト 予想外の幕切れも

 

【ボクシング】暴れん坊カシメロ vs. 倒し屋・赤穂の一戦はガチンコの喧嘩ファイト 予想外の幕切れも
かつてWBO世界バンタム級王者だったジョンリエル・カシメロの実力は確か(C)Getty Images

フィリピンの暴れん坊ジョンリエル・カシメロと日本の倒し屋・赤穂亮(横浜光)が3日、韓国仁川のカジノホテル、パラダイスシティで激突した。近年、見ることが少なくなったガチンコの喧嘩ファイトとなった。

◆カシメロと無効試合の赤穂、後頭部パンチ「効きました」再戦「今は何もない」

戦前はディフェンシブな攻防になるという見方もあったが、1ラウンドのゴングがなると同時に大きなパンチを振り合う危険な展開となる。カシメロが飛び込んで左フックを振るえば、赤穂も負けじと力を込めた強打を返す。開始10秒で、この試合はKO決着になると確信が持てた。

テクニック合戦では分が悪い赤穂にとって、これは望む展開。どちらが倒れるか、勇気が試される殴り合いとなった。

■グラブを合わせようとした赤穂にパンチを振るう

2ラウンド開始15秒、早くも試合が大きく動く。1ラウンドにも増してラフに突っ込むカシメロの頭が赤穂に当たり、レフリーが両者を分ける。すぐに試合再開。ところが、グラブを合わせようとした赤穂にカシメロが左フックを強打。そのままロープぎわでもつれるようにパンチを出し合ううちに赤穂の引っ掛けるパンチが当たり、カシメロがキャンバスにグラブをタッチした。すかさずレフリーはダウンを宣言、カシメロはカウントを8まで聞いた。

カシメロにダメージはなかったが、このダウンで顔色が変わった。さらに力を込めた右フックで乱暴に襲いかかる。そして、ラウンド中盤、ショートの左フックからチャンスを掴み、赤穂をロープに追い詰める。赤穂は時折、左フックを返すのが精一杯。カシメロはジムで格下を相手にするようにガードの上からパンチを浴びせまくった。

■試合はカシメロのラビットパンチによるノーコンテスト

問題のシーンは2分30秒過ぎ。接近戦で打ち下ろしたカシメロの右フックが赤穂の後頭部にヒット。レフリーは試合をストップしてカシメロに注意を与える。しかし、赤穂はダメージを主張、なんとふらふらとニュートラルコーナーに座り込んでしまった。

スロービデオを見ると首の根元をわずかにかすったパンチに見えたが、赤穂のダメージは深刻だった。リングに椅子が運び込まれ、ドクターも登場。結局、赤穂は続行不能となり、試合はラビットパンチによるノーコンテストという思いもしない幕切れとなった。

■カシメロとモンスターの因縁が再燃か

ボクシング4団体統一戦に臨む井上尚弥(撮影:SPREAD編集部)

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試合後、カシメロは正当なパンチによるダメージの蓄積だったと訴えた。しかし、試合をもう一度、見直してみると、問題のシーン以前にも後頭部に何度もパンチが直撃している。正当なパンチとラビットパンチが合わさってのダメージと見るのが妥当に思えた。

一方の赤穂は「頭は大丈夫。足に力が入らなかった。もうちょっと冷静にやれればよかった。今は再戦したいという気持ちもない」と肩を落とした。カシメロとの力の差を感じたのかもしれない。

カシメロはスーパーバンタム級に上がってキャリアを続ける意向のようだ。そうなると、またしても井上尚弥(大橋)との因縁が再燃するかもしれない。36歳の赤穂は再びリングに上がる意志を問われると、言明を避けた。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

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ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。