日本サッカーの強化・育成を目的に、世界基準のトレーニングを提供している「NIKE ACADEMY TOKYO」。
11月22日、その特別セッションとして「NIKE ACADEMY ALWAYS FOWARD MASTERCLASS」が大原サッカー場(埼玉)で開催された。これは「スピード」と「精密なタッチとコントロール」を体現するプレーヤーを育成するために開かれたプレミアムクリニックだ。
この日は、「NIKE ACADEMY TOKYO」のセッションを過去にも受講したことのある、和田育さん(阪南大高)、高木一史さん(JFAアカデミー福島U-18)ら高校生2名が浦和レッズの練習に参加。
ナイキは、2016年1月に立ち上がったプロジェクト「JFA Youth & Development Programme」をオフィシャルパートナーとしてサポートしている。
このプロジェクトは日本サッカーの継続的な発展のために、さらなる普及や次世代の育成を促進することを目的としたもの。今回のプログラムは、このプロジェクトの一環としての取り組みだ。
今年5月に同プログラムの一環でサンフレッチェ広島の練習に参加したこともある和田さんは、練習を振り返り「改めてプロのスピードを体感することができた。フォワードとして、プロのシュートの質の高さとか、盗めるところは全て盗もうという思いでした」とコメント。
JFAアカデミー福島U-18に所属する高木さんは、「僕は一回もプロを経験したことがなかったので、僕が目指すべきところの『質』を体験できたのは本当に貴重な経験になりました」と語った。
練習では、李忠成選手のシュートの質が印象に残ったよう。
高木さんは、「シュート練習はアカデミーでもよくやる練習だったのですが、李選手の決定力とかシュートの質は、格が違うと感じました」と驚きを込めて明かしていた。
練習後には元日本代表である李選手、西川周作選手とも今後の進路などについて話を交わした2人。
李選手は、2人が浦和レッズの練習に参加したことについて「正直チャンスだと思う。いつチャンスが自分に舞い込んでくるかはわからない。そのチャンスに巡り合うことも運だし、こういった機会は、これからのサッカー選手を目指す子たちに可能性を広げている」とコメント。
続けて、「このチャンスを掴む、掴まないというのは今までの努力次第。全国の中学生、高校生、大学生も、『誰にでもこのチャンスがくる』と思いながら練習することによって、もっともっと選手のクオリティが上がると思う」と全国のサッカー少年に向けてもエールを送った。
西川選手は「レベルの高い選手は、年齢関係なくJリーグの選手と一緒に出来るようにならなくてはいけないと思っています。僕たちが高校生の時、トップに参加する選手は少なかったのですが、今の高校生を見ているとすごく堂々としていて、気持ちの部分もしっかりしている。どんどん下から上の選手を追い抜いていって欲しいですね」と若い世代の台頭を喜んでいた。
編集部は事前に高校生2人から両選手に聞いてみたい質問を尋ねていた。インタビュー時間の一部を使って、そのままその質問をぶつけてみることに。
李選手には「決めるべきところで決める、チャンスを掴むための心構え」について質問。西川選手には「FWにやられて嫌なプレー」について質問した。(聞き手=大日方航)
—:決めるべきところで決める、チャンスを掴むための心構えで求められることとは。
李選手:練習ですよね。日々の練習、日々の生き方。チャンスを掴んだ時に、自分の力を100%発揮できるかできないか。発揮できてもできなくても、成功しても失敗しても、自分に悔いが残るか残らないかを意識しています。
練習中でも「妥協したい、キツい」という感情があると思うのですが、そういったときも頑張ってやり切る。1mmでも努力して、そうしたマイナスの感情をなくしていくと。もちろん、成功したら嬉しいけれど、失敗することもある。
でも、失敗した時に「俺はここまでもう練習したんだから。やること全てやって、準備することを全て準備して、この舞台に立って失敗したんだ」と思えると、悔いが残らないんですよ。
そこではじめて、もうちょっと練習で追及する部分があるんじゃないかって考え始められるんです。そうすることによって、失敗したことを糧にできる。
でも、練習中から1mmでも隙があると、その隙を”責めてしまう”んですね。「あの時もうちょっと1m走っておけばよかった」とか、「あの時シュート練習をもう3本しとけば感覚が掴めたんじゃないか」とか。
そういったところを責めたくないから、練習を特に意識していますね。
—:「FWにやられて嫌なプレー」とは。
西川選手:技術もそうですが、DFの背後を狙って動いたり、ポストプレーに入ってきたり、動きのところでDFラインをかき回すようなプレーをしてくるのは僕としては嫌なタイプだな、と。
頭の中で相手フォワードに色々考えさせられている時点で負けだと思っているので。Jリーグでいったら佐藤寿人選手のようなタイプですかね。得点能力もすごいし。
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両選手のインタビューにも同席し、熱く語られる話を間近で聞いていた2人。この1日は、今後の競技生活に繋がる貴重な経験となったはずだ。
《大日方航》
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