28日は中山競馬場で今年最後の中央GIとなるホープフルS(GI、芝2000m)が行われます。2014年にGIIへと昇格し、2017年以降はGIとして行われていますね。
今回はGII昇格後となる2014年以降の過去データを基に気になる「騎手データ」を見ていきます。
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■一発を狙えるレースではない
今年のホープフルSに騎乗する騎手の中で、2014年以降の過去レースで騎乗経験があるのは14騎手。各騎手のデータは次の通りです。
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施行数が少ないため、各騎手ごとに騎乗数の開きが見られますが、注目は連対経験騎手の平均人気の値が総じて「数字的に」小さいこと。平均人気は小さいほど、人気馬に騎乗してきたことを意味します。
伏兵人馬の出番もなくはないのですが、堅く収まることがほとんど。そもそも一発を狙えるレースではないと覚えておきましょう。
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■注目はC.デムーロ騎手
今回は過去の騎乗回数が4回を超える7騎手を中心に見ていきます。その中で真っ先に取り上げたいのがGIで勝負強いC.デムーロ騎手です。2017年タイムフライヤー(1人気1着)、21年ジャスティンパレス(4人気2着)など少ない騎乗機会で2度の連対がありますね。
注目は騎乗馬の前走距離と着順で、【C.デムーロ騎手】×【前走2000m戦出走かつ前走2着以内】は【1.1.0.0】で連対率100%。上述の2頭がこのパターンでした。
なお、C.デムーロ騎手は前日17時点3番人気のセブンマジシャン(牡、栗東・高野友和厩舎)に騎乗予定。本馬はジャスティンパレスと同様に2000mの黄菊賞を勝って参戦となるため、熱いパターンに該当します。
また、C.デムーロ騎手は今秋のGIで【1.1.1.2】の複勝率60%。先週の有馬記念でもジェラルディーナで3着に健闘しGI好走請負人としての働きを見せています。軸扱いでいいでしょう。
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■福永祐一騎手も高値安定
続いて2019年のレースを1番人気のコントレイルで制している福永祐一騎手について見ていきましょう。ほぼ人気通りの着順に導いてきた同騎手。注目は前走着順で、【福永祐一騎手】×【前走1着馬】は【1.0.1.0】で複勝率100%。前走で勝てていたかどうかはデータ上の大きな分かれ目になっていますね。
福永祐一騎手は前日17時時点2番人気のファントムシーフ(牡、栗東・西村真幸厩舎)に跨がります。本馬は新馬戦、野路菊Sと連勝中。前走1着のデータに該当するため、こちらも好走が期待できます。
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■M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手は人気以上の激走まではどうか
さらに人気馬に跨る機会が多いM.デムーロ騎手とC.ルメール騎手について見ていきましょう。
M.デムーロ騎手は2018年に1番人気のサートゥルナーリアで勝利を飾っていますが、16年のアドマイヤウイナー(5人気11着)、17年のルーカス(2人気6着)の成績が響き、人気と比べると着順の落ち込みが見られます。6度の騎乗で人気より下の着順が5回ですから、人気以上の激走まではどうでしょうか。なお、同騎手は前日17時時点8番人気のグリューネグリーン(牡、美浦・相沢郁厩舎)に騎乗予定。
C.ルメール騎手は2016年のレイデオロ(1人気1着)など5度の馬券絡みがありながら、17年のフラットレー(3人気13着)、21年のコマンドライン(1人気12着)の結果がデータに響いていますね。同騎手は前日17時時点で7番人気のキングズレイン(牡、美浦・手塚貴久厩舎)に跨がりますが、気になるのは先述の2頭と同じ関東馬であること。押さえ程度の扱いでいいかもしれません。
最後に人気のガストリック(牡、美浦・上原博之厩舎)に跨る三浦皇成騎手と、ミッキーカプチーノ(牡、栗東・矢作芳人厩舎)に騎乗予定の戸崎圭太騎手ですが、ホープフルSの過去データだけでは判断が難しいと考えられます。
そのため中山芝2000m重賞に広げて2014年以降のデータを算出すると、両者ともほぼ人気通りの着順が見込めることが分かりました。ただし、三浦皇成騎手はこの条件で【0.1.1.27】連対率3.4%です。そもそも人気馬に跨る機会が少なかったとは言え、過度な期待は禁物かもしれません。
以上、ホープフルSの騎手データでした。データ注目騎手としてセブンマジシャンのC.デムーロ騎手、ファントムシーフの福永祐一騎手、以上2名を推奨します。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。