【RIZIN.40】「近くて遠い」Bellatorと世界の背中 対抗戦全敗から始まる2023年の挑戦

 

【RIZIN.40】「近くて遠い」Bellatorと世界の背中 対抗戦全敗から始まる2023年の挑戦
(C)RIZIN FF

湘南美容クリニック presents RIZIN.40」が12月31日、さいたまスーパーアリーナで行われ、注目の「RIZIN vs. Bellator 全面対抗戦」はBellatorの5戦全勝で幕を閉じた。日米両団体が“本気のタッグ”を組み実現したドリームマッチだが、悔しい現実に直面したRIZIN側は次の夢舞台までにどこまで巻き返せるか注目される。

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■熱戦も5戦全て判定負け

AJ・マッキー

AJ・マッキー(C)RIZIN FF

5戦全て判定決着での完敗――。Bellatorの背中はまさに「近くて遠い」という事実を思い知らされた大晦日だった。

巧みなボンサイ柔術を武器に、直近のRIZIN大会では日本人選手にとって大きな脅威となっていたホベルト・サトシ・ソウザとクレベル・コイケは、得意の寝技を極めきる展開まで持ち込めなかった。AJ・マッキーとパトリシオ・ピットブルというBellatorでも超一線級のファイターは、不利な体勢になっても慌てることなく柔術に対応。さらに打撃力やフィジカルでも差を見せつけ、世界最高峰の名に恥じぬ攻守で日本のMMAファンを魅了した。

扇久保博正は3度目となる堀口恭司戦に臨んだが、序盤に受けたカーフキックのダメージが最後まで尾を引き主導権を握れず。先鋒の武田光司、次鋒のキム・スーチョルも周囲の予想以上の激闘で会場を沸かせたが、勝利を掴み取ることは叶わなかった。

各試合が世界標準のユニファイドルールではなく、全ラウンドを通してのジャッジとなるRIZINルールで実施されたうえでの5連敗には、榊原信行CEOも悔しさをにじませながら今後チームとしてファイトキャンプなどを実施する可能性に触れた。

■「朝倉 vs. 牛久」「平本 vs. 斎藤」で競争激化

牛久絢太郎(左)と朝倉未来(C)RIZIN FF

また榊原CEOは「RIZIN vs. Bellator」の第2弾について、開催詳細は未定ながらRIZINが乗り込むかたちでのケージファイトになると明言。Bellatorスコット・コーカー代表もさらなる交流に意欲があることを強調している。

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RIZIN側としても、このまま“連敗”を続けるつもりは毛頭ないはず。大晦日大会では「朝倉未来 vs. 牛久絢太郎」「平本蓮 vs. 斎藤裕」の決定がアナウンスされ、タレント揃いのフェザー級でクレベルも含めた“ふるい落とし”が行われる一年となる。ゾンビファイトでコーカー代表からも賛辞をおくられたスーチョルの今後や、拳の故障で実戦から遠ざかっている朝倉海の復活なども対抗戦の行方に影響を与えるだろう。

団体内での競争を激化させることで地力を高めながら、ボクシング元世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオとの電撃契約などの飛び道具も組み合わせ、国際的な市場開拓へ舵を切っていく2023年のRIZIN。世界基準にどこまで肉薄できるのか……大晦日のさいたまスーパーアリーナに鳴り響いた「PRIDEのテーマ」で胸を熱くした往年のファンたちが改めて期待するのは、間違いなくその一点だ。

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文●SPREAD編集部