2023年中央競馬の開幕を飾る、第72回中山金杯(GIII、芝2000m)は、昨年のきさらぎ賞覇者で、近走好走のマテンロウレオ、前走で3勝クラスを突破し、2歳時にはホープフルS3着の実績もあるラーグルフ、芝2000mの重賞戦線で堅実な走りを見せ、重賞初制覇を狙うアラタ、ラジオNIKKEI賞の覇者フェーングロッテンなど、好メンバーが揃った。
過去10年の3連単平均配当は5万8737円と、一筋縄ではいかないハンデ戦。そんな中、ラーグルフが今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■明け4歳馬は、3歳時の経験値がモノを言う
2歳時のホープフルSで3着に好走し、クラシックでの活躍を期待されたラーグルフだったが、皐月賞では8着と、同世代の高い壁に阻まれた。夏は条件戦から再始動、2勝クラスを勝利し、セントライト記念5着を挟んで、前走は3勝クラスを突破と、着実に階段を上がって、再び重賞戦線へ返り咲いた。
前走3勝クラスをステップに中山金杯へ駒を進めたパターンは、21年ヒシイグアスが連勝の勢いで制した例はあるが、過去10年で【1.1.2.10】と、基本的にはオープン・重賞で戦ってきた馬のほうが有利な傾向だ。
また、年齢別の成績では、4~7歳まで大きな差はなく、4歳馬は【2.3.2.19】と、世代別では勝率、連対率、複勝率ともに、5歳の次に成績は良い。しかし、その内訳をみてみると、3着以内に入った7頭中5頭は、古馬混合重賞で3着以内に好走していた実績があった。ラーグルフは、初めて年上の馬と重賞で対戦することになるが、3歳時の経験不足がここで露呈しないだろうか。
加えて、ラーグルフはこれまでに4勝しているが、勝利時はすべて上がり3F最速のタイムをマークし、4勝中3勝は東京、新潟と直線の長いコースでのもの。一方、敗れたレース、特に中山では、皐月賞や2走前のセントライト記念など、持ち味を発揮することなく大敗しており、コース適性という点では、東京、新潟のほうが向いているのかもしれない。
2歳時のGI実績、条件クラスを勝ち上がった勢いの良さで多くの支持を集めそうなラーグルフだが、妙味ほどの信頼は置けず、ここは思い切って「消し」でいきたい。
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文●石川豊