3日間競馬の最終日となる9日は中山競馬場で3歳牝馬限定重賞のフェアリーSが開催されます。しばらくは1200m戦でしたが、2009年以降は再び1600mで行われています。
今回は1600mで施行されるようになった2009年以降の過去データを基に気になる「騎手データ」を見ていきます。
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目次
■好走経験がある騎手は多くない
今年のフェアリーSに騎乗する騎手の中で、2009年以降の過去レースで騎乗経験があるのは12騎手。各騎手のデータは次の通りです。
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集計対象となる期間が14年分ありますが、数をこなせている騎手は限られます。さらに好走経験がある騎手も限られますね。そのため今回は勝利経験がある4騎手のデータを見ていきましょう。
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■一発なら三浦皇成騎手
まず過去レースでの激走が光る三浦皇成騎手を取り上げます。平均人気9.8が示すように、人気馬に跨った機会はほぼありませんが、2013年のクラウンロゼ(10人気)を勝利に導くと、2016年のダイワドレッサー(10人気)でも2着に激走。
5回に1回の割合で大激走が見込める状況なら押さえるだけの価値がありますね。なお、好走した2頭の共通点は1枠から4枠の「内枠」を引けていたことで、【三浦皇成騎手】×【1枠-4枠】は【1.1.0.3】の連対率40%。奇しくも今年のフェアリーSで騎乗を予定するエピファネイア産駒のリックスター(美浦・鹿戸雄一厩舎)は1枠2番の絶好枠を引き当てました。
当日の人気は伏兵級にとどまりそうで、今年も人気をあざ笑うかのような走りが見られるかもしれません。
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■M.デムーロ騎手は中山の牝馬限定重賞で勝負強い
続いてM.デムーロ騎手について見ていきましょう。同騎手は2019年のアクアミラビリス(1人気5着)こそ人気を裏切ってしまいましたが、22年のライラック(5人気1着)で勝利をもぎ取っています。
この2鞍のみではサンプル不足なため、集計対象を2009年以降の中山芝1600mかつ牝馬限定重賞に広げるとその成績は【3.1.0.1】で連対率は驚異の80%。2021年ターコイズS(勝ち馬:ミスニューヨーク)、22年フェアリーS(勝ち馬:ライラック)、22年ターコイズS(勝ち馬:ミスニューヨーク)と3連勝中です。中山牝馬重賞の「鬼」と表現していいでしょう。
同騎手は想定7~8番人気のサトノダイヤモンド産駒ディヴァージオン(栗東・藤岡健一厩舎)に騎乗予定。1戦1勝馬ですが、三浦皇成騎手と同様に一発が期待できそうです。
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■軸は戸崎圭太騎手で決まり
さらに出走騎手中最多となる3度の連対がある戸崎圭太騎手のデータを見ていきましょう。素のデータで連対率42.9%、単勝回収率128%、複勝回収率182%と文句なしの成績です。
2014年のオメガハートロック(1人気)、18年のプリモシーン(2人気)の2頭を勝利に導き、15年はローデッド(8人気2着)で波乱を演出。人気でも人気薄でも怖い騎手ですね。
注目要素は所属で、【戸崎圭太騎手】×【関東馬】は【2.0.1.1】の連対率50%、複勝率75%と数値がさらに上昇。今年は関東馬で2連勝中のルーラーシップ産駒メイクアスナッチ(美浦・武市康男厩舎)に跨がりますので、軸扱いで良さそうです。
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■C.ルメール騎手は割引
最後に人気馬に跨る機会が多いC.ルメール騎手のデータも見ていきます。2021年のファインルージュ(3人気)で勝利こそ収めていますが、13年のイリュミナンス(1人気4着)、20年のアヌラーダプラ(1人気6着)、22年のエリカヴィータ(2人気10着)などは人気を下回る結果に。
C.ルメール騎手は年明けからエンジン全開といかない傾向が見られますね。なお、同騎手は京王杯2歳Sで4番人気8着のエピファネイア産駒エナジーチャイム(美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗予定。本馬は上位人気に推される可能性が高く過信は禁物です。
以上、フェアリーSの気になる騎手データでした。データ注目騎手として三浦皇成騎手、M.デムーロ騎手、戸崎圭太騎手の3名を取り上げます。3名のワイドBOXでも十分配当が見込めそうですね。人気以上の好走が見られるのか注目してみてください。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。