【ボクシング】世界初の2階級4団体統一へ、井上尚弥はスーパーバンタム級で本当に勝てるのか 対フルトン戦を読みとく 

 

【ボクシング】世界初の2階級4団体統一へ、井上尚弥はスーパーバンタム級で本当に勝てるのか 対フルトン戦を読みとく 
井上尚弥 撮影:SPREAD編集部

昨年12月にバンタム級4団体統一を果たし、ボクシングファンばかりでなく、日本中に感動を与えた井上尚弥(大橋)は、スーパーバンタム級に階級を上げて最初の試合が合意に達したようだ。

◆【実際の映像】モンスター井上尚弥、4団体統一王者となる11ラウンドTKOシーン

■スーパーバンタム級最初の対戦

この1カ月間、対戦相手が誰になるのか、いろいろな憶測が飛び交った。それが急転直下、WBC、WBO世界スーパーバンタム級チャンピオン、スティーブ・フルトン(アメリカ)との対戦が決まったという。フルトンとはどんな選手なのか、どんな経緯で試合が決まったのか、整理してみたい。

フルトンの戦力を分析をする前に、スーパーバンタム級のトップ戦線をおさらいしよう。フルトンがWBO王座を獲得したのは、2021年1月23日。アンジェロ・レオ(アメリカ)を3-0の判定で下しての戴冠だった。

同年11月27日にWBAとWBCのベルトを持っていたブランドン・フィゲロア(アメリカ)と統一戦を行い、2-0の判定で勝利した。しかし、WBAはこの試合を認めず、フィゲロアからベルトを剥奪したため、フルトンはWBO、WBC2団体のチャンピオンとなった。そして昨年6月24日、前WBAスーパー、IBFチャンピオン、ダニエル・ローマン(アメリカ)との防衛戦をクリアした。

■群雄割拠するスーパーバンタム級戦線

残るWBAとIBFのタイトルを保持するのがムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)だ。アフマダリエフの前に両ベルトを持っていたのが、ローマンだった。アフマダリエフは初防衛戦で日本の岩佐亮佑(セレス)を5回KOで退け現在、3連続防衛中だ。

当然、アフマダリエフも井上の標的だが、昨年6月の試合で手を負傷して休養中。復帰すれば、マーロン・タパレス(フィリピン)との指名試合が義務づけられており、井上との対戦はその後となる。

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井上 vs. フルトンがすんなりと決まらなかったのは、フェザー級に上げたフィゲロアとフルトンの再戦が2月25日に決まっていたため。この試合はWBC世界フェザー級暫定王座決定戦となるはずだった。ところが、この試合が両者の思惑から白紙となり、井上vsフルトンが急遽、合意に達したいうわけだ。