2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)開幕戦ラリー・モンテカルロは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエが優勝、カッレ・ロバンペラが2位に入りトヨタ勢が2023年シーズンの幕開けを1-2フィニッシュで飾った。
◆2023年開幕戦、トヨタが1―2フィニッシュ 元王者セバスチャン・オジエが単独最多となるモンテカルロ9勝目
■セバスチャン・オジエがモンテカルロで単独最多の9勝目
3位はヒョンデのティエリー・ヌービル。4位は同じくトヨタ勢のエルフィン・エバンスは、5位に2019年のチャンピオン、オィット・タナック。日本の勝田貴元は6位入賞を果たした。
最終日の22日、モナコの北側に広がるフランス南部の山岳地帯で2本のステージを各2回走行。4本のSSの合計距離は67.88キロとなった。最終日も天気は良く路面は全体的にドライコンディション。しかし、一部には凍結を防ぐための塩が路面に大量に散らばり、非常に滑りやすい区間も多かった。
デイ3で総合2位のロバンペラに16秒差を築いていたオジエは、オープニングのSS15でベストタイムを記録。続くSS16ではロバンペラがベストタイム、SS17ではオジエがベストタイムと、新旧世界王者による激しい首位争いがラリー終盤まで続く。そして、ボーナスポイントがかかるパワーステージに指定された最終のSS18では、ロバンペラがベストタイムで締めくくるも、オジエが18.8秒差で首位を守り優勝。ラリー・モンテカルロ通算9勝(WRC開催としては8勝)と、伝統のラリーで単独最多記録とし、WRC通算優勝回数を56に延ばした。また、昨年の最終戦ラリージャパンでオジエと初めてコンビを組んだランデにとっては、記念すべきWRC初勝利となった。
オジエは「完璧な週末でした。このラリーは自分にとって大きな意味があり、勝つことは常に特別なことなので、優勝の喜びを満喫したいと思います。自分自身、そしてチームのことも誇りに思います。この週末はチームにとってかなり優位な展開でした。トヨタは今回も素晴らしいクルマを提供してくれたので、感謝しています。1-2フィニッシュでシーズンをスタートできたのは素晴らしいことですし、カッレも良いパフォーマンスを見せてくれました。昨日はもっと速く走れるとわかっていながら、リスクを冒したくないという気持ちが強く、ナーバスになっていました。今日はもっと純粋に走ることができると思っていましたし、ラリーの終盤を楽しむことができました。ヴァンサンが初優勝したことも本当に嬉しく思います。彼と組んで2戦目だったにも関わらず、私のサイドシートで完璧な仕事をしてくれました。優勝に相応しい働きをしたと思います」とコメント。
■「非常に満足できる週末」と昨季王者
ディフェンディング・チャンピオンのロバンペラも「非常に満足できる週末でした。ラリーの序盤は出走順による路面クリーニングの影響が予想以上に大きく、タイムをかなり失いましたが、その後は良いペースで走ることができました。路面クリーニングがなされたステージを走る時は、他のドライバーと同じペースで走ることが可能でしたし、ベストタイムを争うこともできました。最終的にはパワーステージでフルポイントを獲得し、シーズンの初戦で多くのポイントを得ることができました。チームの素晴らしい仕事によって我々のチームは全員が速く、自信を持って走ることができたと思います。モンテカルロのマスターであるセブに対しては、心からおめでとうと言いたいです」と満足感を示した。なお、トヨタ勢は全18本のSSのうち16本で勝利。これに気を良くしたのがトヨタ自動車豊田章男社長。特にオフにチームが新たな会社「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」として始動したことに触れ「ラリーを通じて、クルマがもっと人々の笑顔を増やしていけるよう一緒に様々なチャレンジをしていきましょう!」とチームに向け発信。さらに昨年のラリー・ジャパン後、チームのドライバーたちと愛知県蒲郡市でダート走行を行なった出来事に触れ「蒲郡市が『ここでラリーを開催してみたい! 蒲郡をモナコのようにしたい!』と盛り上がっています。将来、蒲郡がモンテカルロのようになったらまたみんなで走りに来てください!」とメッセージを送った。
◆世界ラリー選手権2023年シーズン特集 トヨタは3年連続3冠獲得なるか、カッレ・ロバンペラの連覇は… 速報・結果一覧
◆ラリージャパン2022 開催概要・日程・放送予定・結果一覧
◆世界ラリー選手権2022年シーズン特集 ドライバーズ・タイトルの行方は… 速報・結果一覧
文●SPREAD編集部