コナミスポーツ体操競技部が2019年の練習を始動。リオデジャネイロオリンピック団体で金メダルを獲得した山室光史選手も埼玉県草加市の体育館で汗を流した。
山室選手は159センチと小柄ながら、鍛え上げられた肉体でダイナミックな演技を見せる。2020年東京オリンピックへ向けての熱意を練習後に報道陣に語ってくれた。
本来はリオ五輪もやらないつもりが東京五輪まで目指すことに
山室選手は、2012年・2016年のオリンピック日本代表に選出。2012年のロンドン五輪では、団体決勝の跳馬の演技中に、着地に失敗して左足甲剥離骨折と診断された。
金メダルをかけて戦っていた最中だけに悔しさが大きく、この時の気持ちが、本来は出るつもりがなかったリオ五輪を目指すきっかけとなったという。
「本当はリオもやらない予定でしたが、ロンドンがひどいものだったので、そこまではどうしても出たいと思いました」
そうして、リオ五輪を目指している中で、2020年東京五輪開催が決まり、さらに4年後まで目指すことにしたと語る。
「リオまで走っている間に、東京に決まったので、僕が現役の間に自国開催は絶対にないというのは分かっていたし、すごく盛り上がるオリンピックになると思います」
「海外だったら見にこられない方も見にこれるので、そういう中でオリンピックに出るというのは選手としても幸せだと思います。年齢的にはきつい歳にはなると思いますが、出たいという気持ちがあるので、どういう形であれ、自分なりにどうにかして出られないかと日々考えています」
昨年には上腕二頭筋断裂を経験
そんな強い覚悟を持って、昨年9月の全日本シニア選手権に臨んだ山室選手は試合1時間前のウォーミングアップ中に右上腕二頭筋を断裂。筋肉がバリバリとちぎれる音が聞こえたそうだ。
自分でも「まさか自分の二頭筋が切れるとは。筋肉が売りなので」と自信を持っていた部位だった。
現在は、頭を使いながら他の部分の筋肉を使うように意識しているが、怪我の影響で肩にも痛みがあると明かす。
ただ、「その肩の痛みさえ抜ければ力も入るし、感覚的にはいけるんじゃないか、あと2年くらいはやれるという感じです」と語った。
怪我した当初については、「むしろ肩が柔らかくなったという感じでした」とポジティブに捉えていた山室選手。同級生の内村選手とともにベテランとして東京五輪を目指す。
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