第73回東京新聞杯(GIII、芝1600m)は、オークス3着、秋華賞2着のナミュール、桜花賞5着、オークス4着のピンハイ、オークス5着のプレサージュリフトといった、4歳牝馬のトップクラスが集結。牡馬勢では、京成杯AH覇者のファルコニアや、関屋記念を制したウインカーネリアンなどマイル巧者が参戦し、春のGI戦線へ向けて、重要な戦いが展開されそうだ。
そんな中、マイルCS最先着のジャスティンカフェが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■スロー前残り、冬の府中では真価を発揮できない
先週から始まった冬の東京開催。芝のレースは土日合わせて10鞍行われたが、10レース中9レースがスローペースで争われ、残り1鞍もミドルペース。そして、勝ち馬は10頭中9頭が逃げ・先行タイプが占め、極端なスロー・前残りの傾向となった。
例年、開催2週目に行われる東京新聞杯も、前残りの決着が多く、ペースが速くなった昨年こそ、勝ったイルーシヴパンサーをはじめ、差し・追込勢が上位を独占したが、過去10年の勝ち馬10頭中9頭は、4コーナー10番手以内と、前めにつけられる馬が上位を占める傾向にあり、先週の芝のレースの傾向を踏まえると、今週も引き続き、同様のレース展開が予想されそうだ。
ジャスティンカフェは、重賞こそ未勝利だが、昨年はエプソムC4着、毎日王冠2着と、どちらも0秒1差と差のない敗戦。前走マイルCSも勝ち馬から0秒4差の6着と、歴戦のマイル巧者を相手に、トップレベルの走りを披露し、相手関係が楽になるここなら、高い支持を集めそうだ。
しかし、デビュー当初や条件戦を走っていたころは、先行・中団と、前めにつけてレースを進めていたが、重賞を戦うようになってから、特に近5走中4走は10番手以下からと、極端な後方待機策が目に付く。ここにきて、前に行けなくなってきている点が、今回の東京新聞杯ではマイナス材料だ。大敗したアーリントンC以外、デビューからすべて上がり3ハロン3位以内の末脚は魅力的だが、前残りのスローペースで、後方から脚を余すパターンになりそうな気がしてならない。
また、前走マイルCS組は過去10年で【1.0.1.11】と、意外に相性が悪い。2013年ドナウブルー(1人気10着)や、21年ヴァンドギャルド(1人気4着)など、人気に支持されて馬券圏内を外す馬が多く見受けられ、GI好走馬に即飛びつくことは避けたいところ。加えて、東京新聞杯過去10年の人気別成績は、1番人気が【1.1.2.6】、2番人気が【1.0.2.7】と、1~2番人気の信頼度はいまひとつ。これらを考えると、展開利や人気ほどの妙味は感じられず、ジャスティンカフェは思い切って「消し」でいきたい。
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文●石川豊