【弥生賞/危険な人気馬】注目の大器は“消し” 「未勝利戦だけの実績では通用しない」

 

【弥生賞/危険な人気馬】注目の大器は“消し” 「未勝利戦だけの実績では通用しない」

第60回弥生賞(GII、芝2000m)は、ホープフルS2着のトップナイフをはじめ、京都2歳S覇者のグリューネグリーン、共同通信杯4着のタスティエーラなど、登録は12頭と少頭数ながら、クラシックを見据えた激しい戦いが予想される。

そんな中、昨夏の未勝利戦で10馬身差の圧“逃”劇を披露したゴッドファーザーが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■未勝利戦→弥生賞は通用しない

昨年6月のデビュー戦こそ3着に敗れたものの、続く福島の未勝利戦で10馬身差の逃げ切り勝ちを収めて、注目を集めているゴッドファーザー。新馬戦では、後にホープフルSを制するドゥラエレーデに先着を果たし、1着カルロヴェローチェ、2着チャンスザローゼスも、すでに2勝目を飾るなど、レベルの高い一戦だったこともあり、同馬の評価は高まっている。

とはいえ、未勝利を勝ち上がったばかりの馬が通用するほど、クラシックのトライアルレースは甘くない。過去10年の弥生賞で、前走が未勝利戦だった馬の成績は【0.0.0.8】と、勝ち馬どころか、クラシックの権利を取れた馬は皆無。頭数は少なく、全馬が7番人気以下で、注目されるような存在はいなかったが、後に重賞勝ちを果たした2021年のソーヴァリアントも、未勝利勝ちから臨んで4着に敗れている。

また、3月に開催される、クラシックのステップレースに指定されている3歳重賞にターゲットを広げて、過去10年を調べてみると、前走未勝利戦だった馬の成績は【4.5.3.97】と、まずまずの結果にも思えるが、馬券に絡んでいるのはほとんど牝馬で【4.4.1.61】の成績。一方、牡馬は【0.1.2.36】と勝ち馬は輩出しておらず、未勝利→重賞がいかに高いハードルとなっているかが分かる。

ちなみに、キャリア2戦のゴッドファーザーだが、過去10年の弥生賞で、キャリア2戦だった馬の成績は【2.2.1.9】と、決して見劣りしない結果を残しているが、馬連に絡んだ4頭は、すべて2戦2勝の無敗馬、3着に来た馬も前走重賞で3着の実績を残しており、キャリア2戦の1勝馬は、ことごとく馬券圏外に敗れている。

今年の弥生賞は、重賞勝ち馬がグリューネグリーンのみ。2勝馬もトップナイフを含めわずかに2頭と、例年に比べて小粒なメンバー構成となっており、前走のパフォーマンスや、鞍上武豊という要素を加えると、ゴッドファーザーも、かなり注目を集めそうな雰囲気だが、常識的には手を出しにくい存在。過剰に人気となりそうな様相で、妙味を考えると、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

izukawaya