いよいよ開幕が30日(日本時間31日)に迫ったMLBでとんでもない事件が起こった。
フロリダ州ダニーデンで27日(同28日)に行われたフィラデルフィア・フィリーズ対トロント・ブルージェイズのオープン戦の4回、フィリーズの投手クレイグ・キンブレルが今季から導入されたピッチ・クロックに違反した直後だった。
◆【実際の映像】ボールを受け取ろうとして落球、激昂しJ.T.リアルミュートに退場を宣告する主審
■「史上もっともバカげた退場」
WBCのアメリカ代表でも活躍したフィリーズの捕手J.T.リアルミュートがキャッチング・スタイルでマウンドを向いたまま、新しいボールを受け取ろうとミットを主審に向けた。主審のランディ・ローゼンバーグがボールをミットに入れようとすると、おそらく勘違いしたのだろう、リアルミュートがミットをひっこめ、ボールはそのまま地面を転々。
リアルミュートの反応からしてもまったく故意に見えないにもかかわらず、ローゼンバーグが激昂、退場を言い渡した。これにはフィリーズ監督も敢然と抗議。しかし、判定が覆ることなく、リアルミュートは観客に拳を突き上げたまま、ダッグアウトへと姿を消した。このシーンはSNSでも500万回以上再生されている。
新ルールが適応され、ある程度の困難が予想されたとは言え、これには各メディアも黙っていない。
米3大ネットワークのひとつ『CBS』のデジタル・サイトは「短気な主審が起こした奇妙な大事件」と蔑めば、『NBC』も「理由なしに退場」と報じた。さらにスポーツ誌『スポーツ・イラストレーテッド』も「史上もっともバカげた退場」、『ニューヨーク・ポスト』も「ボールを落としただけで退場」と追従。現地メディアには、まだローゼンバーグのコメントは掲載されていない。
ボールを落としただけで退場になるとは、今季MLBにおける退場は史上かつてみない数に膨れあがるだろう。
日本ではWBC第1回大会より「MLB審判=誤審」という刷り込みもあるほど。せっかくの試合をぶち壊さないためにも、新ルール導入時こそ、ファンの信頼を損なわぬよう慎重な運用を頼みたいものだ。
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文●SPREAD編集部