■ドゥーラ
デビュー戦こそドゥアイズの4着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦では、のちの2歳王者となるドゥラエレーデを従えて初勝利を挙げた。続く札幌2歳Sでは未勝利戦の勝ちっぷりが評価されて1番人気の支持を集めると、その期待に応えて重賞初制覇。中団から力強く伸びて差し切りVを飾るとともに、デビュー戦で後塵を拝したドゥアイズを相手に、0秒1差の先着でリベンジを果たしている。
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そこから3カ月の休みを挟んで臨んだ昨年暮れの阪神ジュベナイルFでは、大外から出負けのスタートで万事休す。終始流れに乗れないまま、6着まで追い上げるのが精いっぱいだった。そして今季は前走・チューリップ賞から始動するも、道中の行きっぷりがイマイチだった上に、勝負どころで前が壁になって急ブレーキ。不完全燃焼のまま、15着に沈んでいる。ここ2戦は力を出しきれずの敗戦で、昨夏の走りからこれが実力ではないことは明らか。人気ほど上位陣との差はない。
前進気勢を取り戻すために、この中間はハミを変えるなど調整を工夫。さらに長期休養明けをひと叩きされ、体調も型通りに良化している。洋芝札幌で見せたパワフルな脚力は、馬場が渋ればさらに威力を発揮しそう。巻き返しのイメージしか湧かない一頭で、激走の可能性を秘めた盲点と言える。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。